
撮影地:佐賀県三瀬村
さて、先日アナウンスしたヘビ、シロマダラでござい。
幻のヘビとまで言わしめるDinodon最北種。夜行性で隠遁性も強いため中々一般人は出会う機会がないヘビですが、居る場所に行けばそれなりに見られます。とはいうものの福岡に帰って、見つけたのは今回が初めて。先に書いたように「居る場所」を見つけるのがまず重要です。
シロマダラを探す時は事前に昼間、トカゲ類が多い林道なんかを見つけておきます。やはりスギ林よりも広葉樹林で様々な植生が見られる方が良いようです。昼間動けば他のヘビなんかも見つかりますしね。そういう環境で道に面した法面が森の合間合間にいくつもあればベストです。法面には排水管がついていますから、それが埋まっておらず、かつコケや草本がわかわかしている穴ポコがいくつかあれば言うことはありません。あとは気温の高く、あまり風のない日を選んで、夜懐中電灯と先を曲げた針金を持って出かけましょう。
昼間下見をした排水管をいくつも覘いて行くと、入口付近でまったりしているシロマダラ達が観察できます。法面の排水管はヘビたちの利用率が高く、シロマダラの他、アオダイショウやシマヘビなど昼行性のヘビたちが寝ている姿もよく見かけます。沖縄ですと、かなりの確率でアカマタが詰まっています。
先日シロマダラ探索をした日は、最低気温が明け方でも20℃近く、かつほぼ無風で、小雨がたまに降り湿度も高いというヘビ観察には絶好の日和でした。まぁ平日でしたので、2時間ほどの探索でしたが、結局法面ではシマヘビ4匹、シロマダラ3匹が観察されました。予想通りの結果にほくそ笑みながら、針金を排水溝に差し込みチョイとヘビを取り出します。

シロマダラ
Dinodon orientale まず1個体目は大きなメス。時期的に、これからはシロマダラの交尾季なのでこれは嬉しい得物です。マダラヘビの場合、雌雄で行動に性差があるのか、野外で見つける個体はやたらとオスばかりが多い印象を受けます。以前西表島で一晩で48匹ものサキシママダラを観察しましたが、このうちメスはわずか4個体しかいませんでした。アカマタなんかでもナイトドライブで見つかるのは大抵の場合オスです。

メスを得たので、オスはいないかなと探してみると、すぐに近くの排水孔でいいサイズのオスがとぐろを巻いていました。オスはメスに比べてやや角ばった幅広い頭をしています。サキシママダラで、ですが以前「マダラヘビは雄雌で顔が違う!」と思って頭幅と頭長、その他ちょこちょこ形質を計って検定にかけたところ有意差が見られ、感覚的な雌雄の顔の違いが統計的に証明されました。尤も、これはある程度成熟した個体でないとひっかかないようなので、別に雌雄判別などに使えるものではないのですが…
あ、ちなみにトップに挙げている個体は3匹目の小さいオス。このサイズだと顔の特徴が曖昧なので、素直に尾部で性判別を致します。
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テーマ:生き物の写真 - ジャンル:写真
- 2013/05/11(土) 00:15:55|
- ナミヘビ(国産) Colubridae (Japan)
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| コメント:4
やはり水抜きパイプはポイントですね!アオでもシマでも見つけた時の興奮がたまらないのでやめられないぜ(笑)!
- URL |
- 2013/05/16(木) 15:07:15 |
- 汁 #-
- [ 編集 ]
>こぺ君
見つけるよ!
タカチホも一人こっそり見つけるよ!笑
>Nyanちゃん
人の呪詛を喰らって探蛇力は培われるのさぁぁぁぁ。
>汁さん
穴ですよ、穴。あの狭い空間にみっしりと詰まっているのがたまらんのです。
- URL |
- 2013/05/16(木) 21:37:33 |
- 化野 #-
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