
イボタガ
Brahmaea japonica撮影地 福岡県 早良区
念願のイボタガと遭遇。
春の時期に成虫が出現するこの大型の蛾、蛾好きにとっては見事に貶すところの無い素晴らしい蛾だが、蛾嫌いにとっては想像を絶する気色悪い蛾だろう。というのも、僕は高校2年までなかなかの蛾嫌い男子で、小学館の「珍虫と奇虫」を持っているくらいには虫好き男子だったにも関わらず、蛾のページだけは「馬鹿じゃないの!ブラジルの蛾の幼虫最悪!」とか思い、そのページを触るのも嫌なくらいだった。当然イボタガなんて、成虫のおぞましさはもとより、幼虫のやりたい放題な突起とか色彩には随分と憤慨したものだ。
それが、高校三年生になって生物部に入り、顧問の指導のもとひたすら蛾の採集と展翅に明け暮れているうちに見事蛾好き男子に転生を、いや羽化を成し遂げた。一度蛾好きになってしまえばこちらのもので、こんなに多くの種に満ち溢れ、いつまでも楽しめる分類群はそうはなかろうと蛾を徒に集めたりしていた。
しかし、僕の本質はやはり爬虫類で、ここ最近迄は昆虫にまでは中々手を出せないでいた。なんとなく数万円のヘビなどはホイホイ買うくせに、ドイツ箱を買うのをためらったり、図鑑に関しても「そのうちそのうち」と爬虫類の洋書ばかり買い漁っていた。ただ、僕のブログの更新頻度からも読み取れると思うが、昨今の僕の爬虫類に対するパッションは目を見張る勢いで低下し、亜熱帯の沖縄から温帯の福岡へと移り住む事で野外での活動もみるみると低下した。野外に行けないもどかしさと、異常ともいえるペット業界の珍種ラッシュに少々辟易していた僕は、ここは原点に立ち返って、身近にいつでも楽しめる対象に目を向けバイオフォリアの魂を鼓舞すべきである!といきり立ち、早速日本産蛾類標準図鑑を購入し、週末蛾コレクターへの道を歩み始めた。とはいうものの、いまだドイツ箱すら購入していないというていたらく(図鑑と来月に行く奄美旅行の資金、日々の飲み代で金欠になってしまっているためだが…)なので、以前のように高頻度で、爬虫類と蛾で記事を更新できるかといえばあまり自信はないのだけれど。
それでもまぁ、この停滞期に一筋の光明が見えただけでも「多様性よありがとう」と言いたいし、幸先良く先日のフィールドでイボタガさんに出会えた。

出会ったイボタガは残念ながらスレ個体だったので、写真を撮ってオサラバしたのだが、蛾嫌いを克服した僕は、あの珍妙な幼虫を飼育してみて、完品を手にするのも悪くなかろうとか考えている。
(使用カメラ:OLYMPUS E-620)
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テーマ:生き物の写真 - ジャンル:写真
- 2012/04/23(月) 21:51:46|
- 蟲 Invertebrates
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| コメント:5
エゾヨツメとオオシモフリはこの時期逃したくないですな。オオシモフリは中々強敵らしいけど、ヨツメ氏は何とかなるかと。それと奄美はハグルマヤママユが丁度出てるらしいよ。
- URL |
- 2012/04/24(火) 00:09:26 |
- acraeoides #aCXfCcIc
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蛾は触るのは嫌いですが、図鑑とかで見るのは好きです。
でも、ヤママユガ辺りを、何とかこう、美しく撮れたら良いなと最近考えてます。
マクロレンズで迫る勇気は、未だに無いのですが。
イボタガの背中素敵ですね。いや、胸部ですな。胸部が素敵です。
- URL |
- 2012/04/25(水) 17:41:27 |
- 金森 #amXlFcx2
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こちらは今年、当たり年だったっぽい。
コンビニ、ダムサイト、日中の森の中・・・・・憧れてただけに、こんなに出会っちゃっていいの?ってくらい会っちゃったよ。
今春はイボタガとオオシモフリスズメを一応目標に頑張ろうと思ってたんだけど、好条件のおかげで、両種ともコンプリートっす♪
イボタガは不器用に飛ぶ、オオシモフリスズメは化け物のように飛ぶ。(笑)
今週は分からんけど、こちらでは先週、先々週くらいがピークだったっぽいね。
幸先の良い春でちた!
完全にドイツ箱貧乏だよ、危険!
- URL |
- 2012/04/25(水) 18:47:53 |
- ちあき #-
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春蛾はいいの多いですね。
オオシモフリなんて灯火かライトトラップしなきゃ採れませんよねぇ。そんな採集では意外とコウモリがライバルで、目の前でサクッとお目当ての蛾をさらわれたりします。
しかし、まぁちあっさんは蛾にはまりすぎ、笑
- URL |
- 2012/05/01(火) 01:07:57 |
- 化野 #-
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