
タイワンハブ
Protobothrops mucrosquamatus※ 特定外来種
撮影地:台湾 花蓮
本場で見た大型のタイワンハブ。タイワンハブは沖縄本島に移入され帰化し、現在野外で多くの個体が捕獲されている外来種である。毒性の強さや、在来種と競合し、混血が生じた例もあり、そうした多面的な問題の多さから外来種のランキングの中でも最も規制の強い「輸入・保持・飼育・繁殖」が禁止されている特定外来種に指定されている。
そうした指定を受けている生き物の多くは、我々の目からすれば害獣で、姿かたちも含め、存在そのものが好ましくないように映る場合がある。それが例え本来の生息地で見た場合であっても「日本では外来種だなぁ」といった感情が根底に根づき、どうしても一歩引いた視点で見てしまっていたことに気づかされた。
しかし、そうした一瞬の感情は、実際にカメラを通して、この個体の美しさ・力強さを体感した時に何処かへ吹き飛び、タイワンハブの素晴らしさばかりに目が行くことになった。実際、帰化地で帰化種を見ても、私には同じような感情の変化が生じていたことも思い出した。

外来種問題で「生き物は悪くない。悪いのは人間である」という言葉がよく持ち出されるが、その言葉を発する時、自分がどういった説得力を持って生き物の正当性を説いているのか、そこをよく考えてみたい。
(使用カメラ:OLYMPUS E-620)
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テーマ:生き物の写真 - ジャンル:写真
- 2011/08/29(月) 22:46:45|
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