Viridovipera stejnegeri stejnegeri撮影地:台湾,烏来
基本的に,僕は緑のヘビにはあまり食指は動かんのです. なので,エメツリよりはガーデンに行くし,ライノが出た時も飼うならテングキノボリかなぁと思っていました. ピットバイパーにしても然りで,こういう所謂“アオハブ”の類は,一応ピットバイパーなので反応しますが,皆一緒じゃ!とか弱そう!とか思っています. あぁ、不遜. 流石にオオウロコハブ
Trimeresurus macrolepis の特異さだとか, ウンナンアオハブ
V. yunnaensis のゴツさには目を見張るものがありますが,どうも緑系はいかんです.
そういえば、このタイワンアオハブやウンナンアオハブに関して,
Trimeresurus ではなく聞き慣れない属名が冠されているかと思いますが,最近の傾向でナメラ属
Elaphe や ヒキガエル属
Bufo なんかの多くの種数を要する大きな属が細分化されていますが,従来のアジアハブ属
Trimeresuruas もそのあおりを受け,現在かなり細かく分けられる傾向にあるようです.Malhotra & Thorpe という御二方がよくアジアのピットバイパーに関して,分子生物学的なアプローチでの系統学的研究を行っているのですが,チト知らない間にドンドコ論文を出していて,今やアジアのハブの世界は様々な意見が飛び交っているようです.
ちなみにCreer
et al.(2006) や Guo
et al. (2009) の研究を見てみると
Trimeresurus として残っている連中は, カクツラハブ
T. puniceus や
T.gramineus など茶色系のものだったり,せいぜいがセイロンハブ
T. trigonocephalus のような、完璧な緑系じゃなくて,やや体型もゴツイ連中が多くを占めているようです.なんとなくトリメレスルスは緑で細っちくて弱々しいとか思っていたんですが,これからは認識を変えなければいけないかもしれません.

さてさて,そんなタイワンアオハブですが,まぁ緑系の毒蛇が産しない我が国で生まれ育っていたら,野外で初めて見る姿には感動しました.なんたって緑色ですから、笑.
雨が降ると,カエルを求めてかてきめんに道路上に出てくるわけですが,中々にそれは画にはなりにくいわけです.サキシマハブとかホンハブだったら地上でもかっこいいんですが,どうも樹上性のイメージが強いせいかどう撮っていいかわからない.1枚目の個体はまぁまぁガタイがよかったので見栄えしますが,2枚目の個体とか細っそいですからね.細いくせに頭はでかく,かつこの体色ですから限りなく貧弱に見える.どうも,緑ぃ奴らは撮るのが苦手です.
しかし、そんな奴らでも樹上にいれば多分素敵に撮れると思うんですよ.しかも野生の蘭なんかに絡まっていたら素敵と思いません?
そんな素敵な島が台湾にはあるわけですよ.その名も蘭嶼島(らんゆうとう).もともとウミヘビが多く上陸する島として知っていて、素敵!と思ったわけですが,唐澤耕司著の「世界ラン紀行」を読むと蘭嶼島は,その名の通り蘭も多ければ,そうした蘭を探しに行く道すがらは「猛毒のグリーンスネークの多いことで知られる」とか書いてあるわけですよ.蘭嶼島にはもう1種緑のヘビとして,このブログにも出したタイワンアオヘビも生息しており,おそらくそれらの混同はあるとは思うんですが,多分サキシマハブ並みの頻度では出現してくれるはずでしょう.蘭嶼島はいつか渡ってみたい島の一つですが,その旅程は海半分で,残りは林内で跳梁跋扈しているアオハブを蘭と共に写真に収めてやりたいと思う今日この頃です.
(使用カメラ:LUMIX DMC-FZ50)
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テーマ:生き物の写真 - ジャンル:写真
- 2010/06/12(土) 02:25:25|
- クサリヘビ Vipers
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