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オビハスカイ

オビハスカイ
 オビハスカイ Pseudoxenodon bambusicola は以前は知る人ぞ知る亜細亜の美種だったが、最近は定期的に比較的まとまった数の入ってくるヘビとなった。しかし、本属で他に流通するものと言えばオオメハスカイ P.macrops くらいなもので、こちらはオビハスカイに比べその流通量はグッと落ちる。ちなみにオオメハスカイの方は台湾なぞにも分布するので、実際に現地で観察できるチャンスのあるヘビだと思う。

オビハスカイ
 この属の面白いところは、コブラよろしく頸部を広げ威嚇行動を行なう事だが、その行動を見ているとコブラに擬態、というより体サイズを大きく見せているという意味合いの方が強いのかもしれない。こうした頸部を広げるという行動はコブラやハスカイヘビに限らず、広い地域で様々な系統のヘビに見られる行動であるので、なんでもかんでもコブラへの擬態で片付けてしまうのは乱暴であろう。ちなみにボア科やクサリヘビ科のヘビではこの様な威嚇行動は見られないようで、これはナミヘビ科やコブラ科で発達した威嚇行動なのだろう。

オビハスカイ
 オビハスカイには色彩多型があり、前出した紫色のものとこの様に黄色い体色のものが見られる。この体色差は雌雄差と言われる事があるが、プローブを挿入したり、尾下板を数えたりと、いくつか調べて見ると必ずしも雌雄で紫色と黄色が分かれることは無く、性差というより個体差であると思う。


オビハスカイ
  飼育に関してはかなり癖のあるヘビで、長期飼育は結構難しい。本種は典型的なカエル食いなのだが、カエル食いの癖にバカバカ餌を食うような感じではなく、カエルを投入してもユウダの様なアホ食いはしない。かなり動きに反応するヘビのようで、カエルが跳ねると食欲が刺激されるのか、追いかけていって捕食を行なう。その際結構視覚に依存しているようで、捕食はカエルの動きに合わせてかなり的確に行なわれる。
 なので、ピンセットから餌をとるような感じでなく、生きたカエルを常時用意せねば飼えないヘビであるようだ。おまけにカエルを投入したらすぐに食べるかといえば、かなり食いムラのあるヘビのようで、食わないときはずーっと食わない。

オビハスカイ
 「お前、カエル食いなんだからヤマカガシとかヒバァみたいにがっつけよ」と思うのだが、その外見にリンクして精神面まで繊細なようだ。
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テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真

  1. 2008/07/11(金) 03:55:47|
  2. ナミヘビ(外産) Colubridae (Other region)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

蝶や蛾の目玉紋を強調するみたいな行動ですね。
ヤマカガシは毒腺の強調かと思っていましたが、一つの意味だけではなくいろんな思惑があるんでしょうね。
オビハスカイ、綺麗なヘビですね!!
  1. URL |
  2. 2008/07/11(金) 18:06:44 |
  3. ばいかだ #ftr86F3A
  4. [ 編集 ]

 ヤマカガシの場合は毒腺強調が強いと思います。ヤマカガシの毒はヒキガエル由来と考えられており、ヒキガエル類が生息しない地域の個体群はあまり頸部を強調した威嚇は行なわず、逃げに徹する場合が多いようです。

ただ、それはあくまで二次的なものであって、頸部を広げる、と言うのはやはり祖先的な形質に基づくものかとは思いますが。

  1. URL |
  2. 2008/07/12(土) 09:02:41 |
  3. 化野 #-
  4. [ 編集 ]

「オビハスカイ」こんなキレイなヘビもいるんですね!
コブラみたいで、カッコイイ・・・♪

ウチにはアルビノカリキンが居ますが、7年も一緒に居ると、怒らせてもちょっと首が縦になる位でこんな威嚇はしてくれません。もちろん、もう何年も噛まれてません。嬉しいような、淋しいような・・・。(笑)
  1. URL |
  2. 2008/07/18(金) 23:27:52 |
  3. くろたまナイト #-
  4. [ 編集 ]

>くろたまナイトさん

世界にはまだ日本であまり知られていない素晴らしい蛇たちがいるのです。
オビハスカイはわりかし有名になった蛇ですが、中国にはまだまだけっこう謎蛇が残っています。
カリキンは荒いというより、食欲の申し子なので、餌と間違えて(というか奴は食える!と思ってるんでしょうね)よくショップの個体なぞにガブガブやられてました。
  1. URL |
  2. 2008/07/19(土) 07:43:50 |
  3. 化野 #-
  4. [ 編集 ]

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