
クロボシウミヘビ
Hydrophis ornatus maresinensis 国内で最凶ともいわれるウミヘビの稀種。とはいうものの場所によっては比較的高密度に生息しているようで、この個体が採集された沖縄本島のある沿岸部では定期的に定置網に掛かるようだ。西表島でも、本種が良く見られる場所があるようだが、いずれにせよ本種の好む環境というのが、比較的水深の深い場所(30m以上)で、かつ底質が砂地や泥質ような視界が悪い場所なので、そうした水域での潜水は危険が多く、容易には観察できない。また、本種は陸には上がらぬ Hydrophiinae である(写真では撮影のため陸に揚げてあるが、他のヘビのようにほとんどまともな移動はできない)ので、偶然打ち上がるか、今回のように混獲されるケースでしか、中々見る機会がない。そういう意味でもやはり珍しいウミヘビと言えるだろう。

個人的に憧れのウミヘビの一つであり、
Hydrophis 属の中で顔つきが最も好き。割にハンサムな顔をしていて、人当たりがよさそうだが、最凶の名の通り、攻撃性が高い。瞳には輝きがなく、サイコキラーの目つきをしている。
写真は、陸に揚げて撮影している時にいきなりキレて、近くのサンゴに咬みついている様子。かなり執拗に咬んでいたし、この一咬みで簡単に人は死ねる。ウミヘビはこのように大きく口を開くし、種によってはすぐに咬んでくるので、手を出さない方が賢明だろう。勿論毒牙も前方に付いているので、深く咬まれなければ大丈夫、というようなこともない。それはヤマカガシのような後牙類で、おそらくこの取り違えは、コブラ科の牙の形状である「溝牙類」の「こうが」が「後牙」と誤って伝わっているせいである気がする。
この個体はリンク先の
ハイアイアイ臨海実験所から頂いた。
(使用カメラ ; OLYMPUS E-620)
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テーマ:生き物の写真 - ジャンル:写真
- 2010/03/05(金) 19:56:38|
- ウミヘビ Sea snakes
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