その正体は無脊椎動物である大きなめめずである.名をヤンバルオオフトミミズと言い,大きい上に太いとは,なんとも居丈高なネーミングで,大きくも太くも無い筆者はこの名の前に萎縮せざるを得ない.記載が2000年と割かし新参者のミミズだが,その存在自体は以前より良く知られており,かのミミズ食い貴公子リュウキュウアオヘビの主要な餌のひとつであろうと考えられている.やんばるの大っきなミミズ食ってんのは分かっているけど,食ってるミミズの名前が無いよぅ,という爬虫類学者の懇願があってかどうかは知らないが,2000年にこれともう一種大っきなミミズ,アカシマフトミミズ P. kunigamiensis が記載されている.さらには,安座間(2002)が沖縄島のフトミミズ属に関して詳細に研究し,8種の既知種と26種の未記載種を報告しているというえらいこっちゃな事態であるという.かように沖縄では,ちきんと研究されれば,ドンドコ未記載種が発見されるマイナーな分類群というのが花盛なのであり,今もガツガツと琉球列島のヤスデの仲間について分類が進んでいる.