
ヒロオウミヘビ
Laticuda laticaudata ヒロオウミヘビはエラブウミヘビ属の中でも最も青が鮮やかな種類。しかし、今回の調査で見つけたこいつはやたらと黒い。所謂メラニスティックという変異であろうが、見た感じがクロッケリーウミヘビ
L. crockeri のようになっている。

顔つきはさらに陰険に、笑。ヒロオウミヘビはエラブウミヘビ属の中で最も凶暴な種に思う。別に海中などで襲ってくるような事はないが、掴めばかなりの確率で口を開け咬み付こうとする。コブラ科で毒性も強いので、もし咬まれればかなり危険な状態になるだろう。
また、たまにウミヘビの毒牙に関して「毒牙は口の後方に位置するので、深く咬まれなければ大丈夫」といったような後牙類を表すような記述が見られるが、ウミヘビはコブラ科で、前牙類に属する。それ故毒牙は口内の前方に位置し、少しでも咬まれれば毒牙に触れてしまう。口が小さい、といった記述もあったりするが、少なくとも口の開き方は僕が見た印象ではそれほど普通のヘビと変わらない様に思う。

ちなみに、本来の色彩はこちら。ヒロオウミヘビは和名学名共に「広尾」と付いているが、おそらく最も尾が広いのはエラブウミヘビ
L.semifasciata で、また、同属のアオマダラウミヘビ
L.colubrina は一番青色が薄く、最も「青斑」なのは本種であろう。

エラブウミヘビ属はそれぞれが混同されやすいが、その要因の一つにアオマダラやヒロオといった複数に当てはまる特徴を用いた和名が付けられているのがあるかもしれない。
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- 2008/07/03(木) 14:17:45|
- ウミヘビ Sea snakes
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私も、コブラ科は後牙類と記述した何かをみましたが、
「溝牙類」の誤植だったかな、と今思います。
ヒロオウミヘビ、気が荒いですね(^^;
Mさんと見たヒロオウミヘビも咬みついてきていましたよ。
- URL |
- 2008/07/03(木) 19:21:41 |
- ばいかだ #ZswUqsqc
- [ 編集 ]
書籍などでは最近少なくなりましたが、未だにウェブ上のサイトなどでは後牙類の記述がありますねぇ。
溝牙類の誤植ですか…にしたってコブラ科の毒牙の構造はもう一寸気の利いたもんなんですけどね、笑。
Mさんは「ヒロオはすぐ咬むからなぁ~」と僕がウミヘビ始める前に教えてくれていました。
- URL |
- 2008/07/03(木) 19:43:17 |
- 化野 #-
- [ 編集 ]
溝と管に、と単純に分けられないもんですね。
溝と後の記述は、私の予想ですけどね(^^;
私も初めてMさんに会ったとき、
どこかで仕入れた迷信から
「ウミヘビは滅多に咬まないんでしょ?」って聞いたら
「フツーに咬むよ~。特にヒロオは。。。」って教えてもらいました。
危なかった…。
- URL |
- 2008/07/03(木) 22:10:19 |
- ばいかだ #JbI3yzaI
- [ 編集 ]
コブラ科の毒牙を見たとき、明らかに溝というより管牙の出来損ないのような構造になってましたので、溝牙とは区別できるかなと思っています。Boigaの一族なぞはヘビ自体がでかいので、その溝のある牙が確認しやすいかと。
なんだかウミヘビは色々と誤解が多いヘビのようで、やはり馴染みない分一般に知見が普及していないようですね。アオマダラはもうほんとに咬む事はない種類ですが、エラブやヒロオは結構口開けて咬んできますからねぇ。
- URL |
- 2008/07/03(木) 22:40:39 |
- 化野 #-
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