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マダラトカゲモドキ

マダラトカゲモドキ

マダラトカゲモドキ Goniurosaurus kuroiwae orientalis
※県指定天然記念物

 渡嘉敷島に一泊行ってきやした。勿論目的はマダラトカゲモドキ!
 台風来ていますし、これまでほとんどまとまった雨らしい雨が降らず、超夏涸れ状態が続いているにもかかわらず、思い立ったが吉日ということで唐突に昨日渡嘉敷に渡って、今日帰ってきました。

 初渡嘉敷島となるわけですが、前に久米島にも行っているし、それの規模が小さいやつだべ?と気楽に渡ったものの、久米島に比べると急激にローカル度が増し「あぁ離島ってやっぱこういうとこだよなぁ」と久々にしみじみ思いました。雰囲気として、スケールは違いますが宮古島と西表島って感じ。まぁ最近の離島環境がやたら便利になりすぎてはいるんでしょうけど。

 とりあえずの下周りで良さげな環境を探すも、どこもかしこも乾ききって、沢もほんの細流に成り果てにけり。あっついし、起伏は激しいしで、車がなかったらこのフィールドは死ぬる。とにかく、いくつかめぼしい場所を見つけて夜まで待機。

 日が暮れなずむ午後7時。まだ空は茜色に染まっているものの、林間は暗い。いてもたってもいられず、カメラを持って林内へ。いきなりヒメトカゲがいくつも飛び出し期待が募る。一つ目の沢をあらかた登るもモドキの影は見当たらず「ま、まだ早いか」と思って道を戻るとガサガサと走り去るちっちゃな影。マダラトカゲモドキだ!とカメラを構えているとちっちゃな影は岩の隙間に入り込む。やっぱ野生のトカゲモドキは素早い。沖縄に来て初めて野生のモドキを見たときはその動きがゴキブリを彷彿させましたもの。まぁ、それ以降大体はこちらが先に見つけて、そのままの素敵ポージングを撮影する術を身に着けてはいたが、初マダラということで少々取り乱してしまった。雰囲気的にやはりクメとそう変わらないかもと思って、以降そうした視点でマダラを探す。

 沢の左手でガサッ!と音がしてみたのでライトを照らせばやや大ぶりのハブがお出まし。ハブ Protobothrops flavoviridis の記載は渡嘉敷島の個体がタイプ標本となっているらしく、この種小名の [flavoviridis] は黄緑色を意味し、この島のハブはやたらと緑が強いらしい。そんな事前の知識を抜きにしても目の前に現れた個体の体色は確かに緑色が強く美しい。ふぉごぉふ!と興奮してフックを繰り出すもこちらの体勢が悪い。ひっかけてこっちに持ってこようとすると、たぶん僕の上に降りかかってくるし、掴むには頭を固定する場所もない。それでもフックでアプローチしてみたが、そのままハブはスルスルと渓流の岩の隙間に入っていく。野外でハブを取り逃すとか何年ぶりだ!?しかもあんな綺麗な個体!
 いきなりモドキとハブを取り逃し、撮り逃したので、渡嘉敷島にて慟哭す。

 マダラトカゲモドキ
 
 とまぁ、悪いことばかりでなく大体感覚は掴めたので以後モドキはコンスタントに見つかる。少しでも水の残っている渓流の岩肌を見ればくっついている個体がいるし、こいつらは再生美がやたらと美しいし変化が多いので、どんな個体が出ても楽しめる。

マダラトカゲモドキ
 ちょっと前まではクメトカゲモドキが一番好きかな、と思っていたがマダラトカゲモドキの株が急上昇。その名の通りまだらに入る模様が美しく、雅というかやらしいまでの地色がそれを際立たせる。特にこのうなじが素敵だと思う。

マダラトカゲモドキ

マダラトカゲモドキ

 この時期だからハッチリングサイズを狙っていたのだが、出てくる最小の個体は上の写真のものくらい。たぶんイヤリングか、2年目。もう少し湿潤な状況ならば出てきていたかもしれない。


マダラトカゲモドキ
 
 お決まり通り様々な瞳のサイズを撮るが、こいつらの瞳孔はクロイワと同じく赤い。体はクメっぽいが、目はクロイワということでなんとも奇妙な感覚。

マダラトカゲモドキ

 最後の沢でようやく出てきた完全尾。再生尾も美しいが、完全尾のそのフォルムの美しさに見とれる。

渡嘉敷島

 こういう岩だらけの渓流を暗闇の中ハブに注意しつつ登るわけだが、渓流じゃなくても比較的手軽にモドキは観察できるかもしれない。しかし、その他の生き物との出会いも期待するし、渓流環境の方が写真を撮るときモドキも映えるから、結局気づけば沢を登っている。

マダラトカゲモドキ

 最近僕は昼行性傾向が強く、0時を回るとかなりおねむになってしまうので、この日もそう遅くまではフィールドを廻らなかった。何より電池パックを1個しか持ってきていないという大ポカをやらかして、あまりバシバシ写真も撮れなかったのが、痛恨の極み。最後にもまたトカゲモドキが登場してくれたが数枚撮ると電池が青色吐息。次はきちんと準備して、緑のハブを撮りに行こう。

※マダラトカゲモドキは県の天然記念物に指定されています。採集・販売・飼育は取り締まりの対象となるので、現地での観察に留めましょう。


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テーマ:生き物の写真 - ジャンル:写真

  1. 2009/10/03(土) 19:21:25|
  2. トカゲモドキ Eyelash Geckos
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:7
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コメント

スゲー!!

てかお願いです!!素敵ポージングを撮影する術を教えて下さい!!!!

写真を見た限りではこの子が一番好みです。それにこうやって生息地や生態がわかると一層好きになれますよね。
  1. URL |
  2. 2009/10/03(土) 20:43:27 |
  3. Nyandful #-
  4. [ 編集 ]

嗚呼、ごめんなさい。Shinでした・・。

これからはブログに合わせてNyandfulでよろしいですか?
  1. URL |
  2. 2009/10/03(土) 20:47:10 |
  3. Nyandful #-
  4. [ 編集 ]

>Nyandfulさん
とにかくこちらが先に見つけることです。

 とはいうものの僕も実は今回も7,8個体に逃げ去られております。また、見つけた時、へたってた場合はこちらの存在に気付かせることで(逃げない程度に)四肢や尾を持ち上げ威嚇という素敵ポージングをしてもらうことはできます。まぁ、天然記念物なのでこのような干渉は宜しくないんでしょうが。

オーストラリアのヤモリだとノブテール系はこうした手法が使えそうですね。レビレビとか撮りたい!
  1. URL |
  2. 2009/10/03(土) 21:23:44 |
  3. 化野 #-
  4. [ 編集 ]

上から4枚目の再生尾がなんとも素敵ですし、なんだか体色が紫がかってるのは写真のだからでしょうかでしょうか?それとも地の色?
いずれにせよ艶やかでいいですねぇ。

思い立ったが吉日で行ってみたいものです>渡嘉敷島(笑
にしてもまだ渇水状態なんですねぇ。こちらは雨は降りますが夜は寒くて敵わないです。
  1. URL |
  2. 2009/10/03(土) 23:24:38 |
  3. ジーク #mQop/nM.
  4. [ 編集 ]

 色はホワイトバランス合わせているからかなり現物に近いと思う。このくらいのサイズだと大人の階段登っている途中なんで、幼体の頃の体色と混じって紫色がかって雅さが増すやね。
  1. URL |
  2. 2009/10/04(日) 20:11:10 |
  3. 化野 #-
  4. [ 編集 ]

ですよね・・でそこから近寄れるかどうかは運次第の気が・・・。
ただFZ50でここまで接写できるのもすごいですよね。小型のスキンクなんかだとなかなかピントが合いません。

レビレビもいいですがオニタマの方が好みなのですがどうでしょう?自分としてはとにかくもう一度アンダーウッディを見に行きたいです。
  1. URL |
  2. 2009/10/05(月) 21:59:47 |
  3. Nyandful #-
  4. [ 編集 ]

スキンクは難しいですね。相手がじっとしている状況ならマニュアルでピント合わせた方がいいでしょうね。

オニタマもいいっすねぇ。養殖個体の成体を見たことがありますが、意外なボリュームで驚きました。クリッターみたい。

 アンダーウッディも期待しています。出来れば周りの環境も含めて写した方がウケますぜ。
  1. URL |
  2. 2009/10/06(火) 23:08:55 |
  3. 化野 #-
  4. [ 編集 ]

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