
ボルネオモリドラゴン
Gonocephalus bornensis.
恐らく本種だと思うのだが、断定はできない。それにしても種小名に産地を冠するのはやはりナンセンスで、ボルネオにはこれのほかに多くのモリドラゴンが生息している。また、旅行のガイドブックやボルネオを対象とした写真集などで、よくモリドラゴンは登場するが、前者はまだしも後者でこのトカゲを「ゴノケファルストカゲ」などと称しているのをたまに見かけるが、これもナンセンスと言えよう。すでに
Gonocephalus 属にはモリドラゴンという和名が提唱されているのだから無理矢理属名を和名にする必要はないのだ。
写真の個体はまだ幼体で、体に対する眼の比率が著しく大きい。こいつはゴマントン洞窟へ向かう途中で、トレイルの近くの枝に掴まっていたもの。

英名でLitter Skinkと呼ばれる
Sphenomorphus 属は分類のゴミ箱的扱いを受けているグループらしく、あまりこのグループに詳しくないので写真の個体が何なのかは詳しく分らないが、手元のフィールドガイドなぞ眺めて
Sphenomorphus haasi なのではないかなぁと思っている。英名のLitterが示すように、林床のリッター層を活動場所にしているトカゲで、森を歩いていると落ち葉の堆積した場所から走り出る。日本で言えばスベトカゲやヘリグロヒメトカゲの様なポジションにいるトカゲだろうが、こいつはそれらよりもやや活動的なようだ。無闇に大きな瞳が愛らしい。こんな顔して恐らくこれは成体サイズ。

トビトカゲは森を歩いていると良く見るトカゲの一つだが、近づくのは中々難しい。こいつはこちらに気づいていないのか、あまり逃げずギリギリまで近づかせて貰えた。最も僕が近づいて写真を撮ったため、その後すぐに逃走し、他の同行者からはブーイングを受けたが。

種類は恐らくイツスジトビトカゲ
Draco quinquefasciatus で、トビトカゲの中でも大型の部類に入る種類である。
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テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真
- 2008/06/16(月) 17:56:55|
- トカゲ Lizards
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| コメント:4
前にも言った気がするけどボルネオモリドラゴンとやらはいいですな。
これって自然光なんしょ?その感じもよかす。
海外の種の和名って爬虫類でどこまでつけられているのかがわからない。台湾の種なんかを調べているいるとそこらへんが謎。わらない場合は種小名を冠する感じなのかな。
日本でもペットとして流通してるやつは意外と和名があるっぽいけど。何かいい文献ないもんかね。
- URL |
- 2008/06/17(火) 01:02:54 |
- てふてふ #-
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モリドラゴンはいいよね。標高高いとこいけばもっといろんな種類が簡単に見られるみたい。この頃はストロボなんざ持ってなかったから自然光さね。
和名に関しては種小名ならまだしも、おもくそ属名つけてるのとかあるからあれはどうかと思う。ヘビに関しては「ヘビ大図鑑 平凡社」で結構な種類の和名を千石さんがつけていたよ。属名はほぼ全てに和名がついているね。
その他は研究者がつけたものとしては小学館とか学研の図鑑があるくらいで、あとはペット業者とかがつけたものとか多いから通じない場合が多い。だいたいどうしようもない場合は種小名のカタカナ表記で和名をつけているね。人名だった場合は仕方ないけど、色とか形態的特徴を表す種小名の場合はそれを和訳したものの方がいいかも。
英名なんかも割と適当で、例えばTiger snakeなんていった名称は複数の属にまたがって付けられている場合があるね。やっぱ学名が一番分りやすいのだね。
- URL |
- 2008/06/17(火) 01:36:29 |
- 化野 #-
- [ 編集 ]
さすがスキンクフリーク。僕もこれはイイんじゃないかと思いましたよ。現地では結構普通種ですが、まずヤーパンには入ってこないでしょうね。
トビトカゲは…飼うもんじゃないです、笑。
- URL |
- 2008/06/17(火) 21:43:48 |
- 化野 #-
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