
白い色をしたハブというのはそうそうおらず、このトカラハブ
Protobothrops tokarensisの他は
Trimeresurus mcgregoriというフィリピンの限られた島嶼群に生息するハブが白色ないしは白がかった黄色をしている。
Trimeresurus mcgregoriはトカラハブ同様、かなり限定的な分布をしており、その2種が似たような色彩になるというのは面白い。ただ、僕は
Trimeresurus mcgregoriを写真でしか見たことが無いので、現物を見れば印象は変わるかもしれない。
しかし、
Trimeresurus mcgregoriの生息する島々へのアクセスはどうも一筋縄ではいかないらしく、その日の海の荒れ具合によっては島自体に到達できないと聞いた。トカラハブが生息する宝・小宝島も空路は無く、ワザワザ鹿児島か奄美からフェリーで行かなければこのヘビを見ることは出来ない。

その代わり、この2つの島に行けば冬季を除いてほぼ必ずこのヘビを見ることは出来る。小宝島ではやや見つけ難いが、宝島ではいたるところに本種がいるといっても過言ではない。同島には他にリュウキュウアオヘビが生息しているが、これよりハブの方が多い気がする。

僕はつい最近これらの島に訪れたのだが、本業が別にあったためあんまり真面目にハブ探しをしなかったが、それでも滞在中は十分な数の本種を見ることが出来た。
ただ、春は普通のヘビを探すような方法では中々本種は見つからないかもしれない。その理由は、この時期本種はほとんどの場合樹上にいるからだ。これは春の渡りをしてきた鳥類を捕食するためで、今回15個体を調べてそのうち13個体が樹上で見つかり、6個体の胃内容から鳥が出てきた。キビタキが多かったが、僕の先生はヒヨドリを検出したことがあるという。他に幼蛇で木に登ってるやつもいたが、こいつはタカラヤモリを捕食していた。ちなみにこれらの写真は前のブログにも掲載しているので、興味があればどうぞ
化野氏の独り言http://nikuneko.cocolog-nifty.com/blog/
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- 2008/05/05(月) 03:39:25|
- クサリヘビ Vipers
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