
前回この蛇のとこで偉そうなことを書いてしまったので、そのことを自分で実行すべく論文に記載されている本種と他種との識別点なぞまとめてみる。Harvey et al. ,2000より。
1) 2もしくは3ペアの大きな頭頂板の対があり、個体によっては適当な感じの頭頂間板たちによって遮られている。
2) 成体の背面のパターンは一定であり、幼体では分散したような斑紋パターンがある。バンド数は多いが、体の前半で不鮮明になる。
3) 成体では黒い瞳と灰色の虹彩、もしくはブロンズ色の瞳で茶色い光彩をしている。
4) 頸部の黒い横帯はない。
5) 目の後ろにある黒い線は孵化直後のものにしか見られない。
6) 成体は3.8mに達し、8.5kgになる。
7) 背面から見て、丸みを帯びた吻端。
8) アザンティック(黄色くないやつ)といった色彩変異がある。
9) 顔の鱗が特徴的で、3枚並んだ頬板(アメジストでは2枚)があり、目と上唇板は眼下板で遮られる場合が多い。また、目の後方に並ぶ上唇板が多い。
と、論文に書いてあった識別点だが、どうも判りにくい。1の点を見ていると、写真のうちの個体、頭頂板の枚数は見事にあてはまるものの、頭頂間板は存在していない。それでもネット上でぷらぷら写真をめぐっていると、それなりに適当に頭頂板は分断されている個体もままいるみたい。うちの子が奇麗に整列しているのね。
頬板は3枚あってモルカンの特徴を有しているが、目はおもくそ直接上唇板に接している。この特徴は結構販売されている個体にも当てはまって、意外と眼下板がある個体は少ない様。上唇板の記述だが、平均的に6枚の個体が多く、他のアメジストコンプレックスでは大体5枚の様。でも、まぁ5枚の個体もいるようだし、他種で6枚のものもいうようなので、識別点としてはちょっと不安が残るかも。
結局は色柄で見るのが一番確実かも知れない。モルカンの色彩は変異の幅はあれど「モルカンですっ!」ってな感じをしているから、あんまり興味無く、昨日今日これらのヘビを扱った人でなければすぐ見分けはつくだろう。
クリーパーNo.11(2002)のp.64に載っているアルー諸島産のアメジストパイソンとされる個体はちょっとモルカンぽく見えるが、産地インフォがしっかりしているようだし、やっぱりアメジスト的な色彩で首のバンドが確認できたり、頬板も2枚っぽいので、こうして総合的に判断を下すことで同定は可能かと思われる。
知りませんでした、では済まされないのが特定動物だから恐ろしい。
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テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真
- 2009/02/18(水) 20:07:06|
- ボア・パイソン Boas and Pythons
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