
なんだかんだ言って、やはり僕はでかいヘビが好きなわけで、その種の最大サイズってのには憧れる。
現在規制無く飼えるヘビで、こりゃでかい!となるヘビはニシキヘビでベーレン、パプアン、オリーブ。ボアではキューバン、キイロアナコンダといったところだろう。ナミヘビもミズコブラモドキやシュウダなぞは2m近い個体、またはそれを越えた個体に接してみるとナミヘビという言葉が似つかわしくないほど巨大感はあるが、そこはナミヘビで、人を殺せるだけの力は無い。
それに比べ上記したボア・パイソンは3mを超えた個体なら一般人を殺す潜在能力は持っている。ハルク・ホーガンなんかは最大級のアナコンダやアミメを当てなければ殺せんだろうが、サラリーマン山田みたいな一般的な日本人は本気を出した3mアップのヘビの攻撃には、まず抵抗できないだろう。
それでも飼育下の彼らは紳士的なためか、そういった能力を徒に僕らに向けることはほとんど無い。まぁそれはヘビ自身の人に対する馴れもあるし、僕らを襲う無駄なコストを払う意味が無いってのをある程度理解していることもあるだろう。もちろん飼育者のヘビに対する扱いというのもある。
それでも、いくら馴れているヘビといっても潜在的に僕らを殺せる能力を秘めた種を扱うときは、大袈裟かもしれないが頭のどこかに「死」を想像しておく方がいい。事実、これは日本では規制のかかっている種だが、アメリカでは飼育下のビルマニシキヘビに殺されている人間が少なからず存在する。
規制される種は規制されるだけあって、その理由は大抵の場合明白だ。つまり人を殺したことがある、ということ。中にはボアコンの様に世論に押し切られた種もいるし、アメジストの様に殺人を犯したことの無いヘビもいる。しかし、この2種とて人を殺せないか?といえばある程度の大きさに育てば十分人を殺傷できるヘビであり、飼育下でもそのサイズになることは可能だ。
まさか「自宅のヘビが自分を殺す」なんて中々想像できることではないが、そんな時は一度ワイルドの「こいつデカイな」と思えるサイズのその種と接してみるといいだろう。僕もそうそうそんなにでかいヘビと接したわけではないが、そういった想像はかなり行なっているし、可能な限りデカイサイズと接している。
ワイルドというのは大抵人に馴れていないから、僕らを敵としてしか見ていない。3m以上あるビルマがシューシュー言って飛び掛ってくるのに接した事があるが、何かの拍子で首を巻かれたらまず助からないだろうなと思った。
こうしたものを一度体験するといかに馴れているヘビでも、ハンドリングする時はどこか警戒するし、あまり一人では扱いたくない。はっきり言って飼育下のヘビに殺される確率は、宝くじで1千万当たるより低いだろうし、雷に打たれて死ぬ確率の方が遥かに高いだろう。もしかしたら宜野湾市でばったりウィノナ・ライダーに会ってアイラビューと言われる確率と同じかもしれない。それでもそうしたヘビを飼育下に置いているということは、常に万に一つの可能性が身近にあるということでもある。ウィノナが隣に住んでるようなものだ。
僕らはアクシデンタルな死というものは意識し辛いが、そうした死をともすれば発生させる因子というものにそれらのヘビたちはなりうる。
でも、やはり、というかそれがあるからこそ僕はそうしたヘビに惹かれる。これは僕の頭のネジが中国製だからなのかも知れないが、人を殺せるイキモノというのは魅力的である。それがヒトから離れれば離れる程イイ。ライオンなんかの哺乳類がヒトを殺すのはイマイチ萌えない。やはり爬虫類やサメなんかの魚類がヒトを襲うというのが僕の中ではツボで、最近はよく海に潜るのもあってサメにはまっている。今月後半また八重山に出かけるが、サメにあいたい願望がモリモリある。さっきも久々にJAWSを観た。とりあえず襲われてる人がみんな凄く痛そうだったので、実際に襲われるのは勘弁だが、サメには会ってみたい。
こうした危険動物に魅せられた人ってのは実際結構居るようで、サメヲタなんかワラワラ居るし、真の大型ネコ科好きは可愛いだけの側面はあまり目に入ってない気がする。
しかし、ヘビ好きはどうだろう?
僕は大型のヘビに死の影を見て、自分の生を実感するという深層心理が働いてヘビが好きなのかも知れないが、そうした意識が働かずに大型のヘビを飼うというのは想像力不足があるかもしれない。まぁそうそう死を意識してヘビを飼う人もいなかろうが、悪い例でレティックなんかのミュータントは限りなく死の意識を遠ざける。あんなファンシーな色彩をしたものが人を殺せるなんてまぁ思わない。
でも、例えば銃をいくらお茶目にピンクとかに塗っても、銃身に象さんの飾りをつけたとしても銃は銃で、人を殺す場合もある。銃の場合厳密には人を殺すのは銃ではなく人の意思かもしれないが、ヘビは己の意思で人を殺せる。
手にキューバンボアを巻いて、この愛らしさの延長線には僕の死の可能性が横たわっているのだなと思った。
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- 2008/05/05(月) 02:03:25|
- ボア・パイソン Boas and Pythons
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