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爬虫類やらその他のイキモノ

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爬虫類ショップについて

オオヒキガエル
 昨今の爬虫類ショップ形態の分化は著しい。僕自身生まれて高々二十数年で、大学に進学するまでショップ過疎地福岡で燻っていたので、リアルタイムで当時からのショップ事情流通事情を体験したわけではない。
 僕が福岡にいたころメインに通っていた所謂「専門店」はわずか2店舗のみであったが、この2店舗が今考えても非常にしっかりした店で、「爬虫類ショップとはかくあるべし」と幼い僕にこの商売の素晴らしさを教えてくれた。勿論今でもそれらのショップは経営していて、たまに帰福するときには遊びに行く。

 2つのショップから感じた事は、生き物を商売に関するプロフェッショナルさであった。一つの店は爬虫両生類ならばワイルド・CB問わず取りあえず何でも扱う総合店(とはいっても店舗は非常に小さく、扱う種類も多くても20種程度だったが)。もう一つはヘビトカゲメインで、直接アメリカやヨーロッパと取引するCBオンリーの店だった。
 それぞれの店が示したのは、爬虫類ショップとしての信条、そしてプロショップとしての方向性であった。

 最初のショップは昔ながらの爬虫類屋風で、店主はコテコテの偏屈頑固親爺だった。ただし、店内は清潔そのもの。多少の臭いはあるが、それはマウスを自家繁殖していたためで、それでもその数から考えたら驚くべき臭いの少なさだった。親爺曰く「毎日掃除してもこの臭いや。臭ぁてしゃーない」と文句タラタラだったが、餌まで自分のところでしっかり管理したいという信念のもとマウスの繁殖を続けていた。

 よく「昔の爬虫類屋は臭くて、暗くて、店主は無愛想」といわれるが、臭くて、暗くての質というのは大分違うと思う。一度中学生の頃関東に行く用事があって、その際東京の専門店として有名なショップに行ってみた。そこで、愕然とした記憶がある。

 その時は都内の某有名店2店舗に訪れたのだが、一つはかなり清潔で、扱う種類数も多く、個体の状態も悪くない。店員がみな若くハキハキして、ちょっとしたアミューズメントパークの様な様相であった。流石爬虫類流通の最先端の地だなぁと思い感激したが、次に行ったショップがいけなかった。
 種類数としては先に行ったショップより多く、さらにマニアックな種類を多く扱っている店だった。しかし、店に入った瞬間腐臭が鼻をつく。地元のショップで嗅いだのとは異質の臭い。その原因はすぐわかった。ケージに死体が放置してある。糞は掃除していない。過度に生体が詰め込まれてある。
 奴隷小屋かと思う有様で、店員はと言えばなんだか無駄な作業ばかりしている。もうこの時点でワケワカメ。死体を放置している意味がわからないし、珍しい種類も多かったが、ほとんどの生体の状態は良いとは言えない。中には死体一歩前みたいな個体にも堂々と値段が付いている。

 雑誌などで見た「専門店」の言葉がかすんでしまう。これで扱う種類は珍しいものが多いからプロという自負があるのだろうが、ちょっとそれは違うのではなかろうか。
 爬虫類ショップが一流であるかないかは、扱っている種類によるものではないと思う。それは店主に信条があり、かつ生き物を総合的に扱う腕があるかどうかということである。大体自分で管理しきれなくて死体を放置するほどまでになっている店など、己を過信しすぎた愚かな子供のようではないか。

 地元のショップは、
 1、入荷する生体はまず自分の目で見て持ってくる
 2、自分で状態を把握するまで新入荷の生体は売らない
 3、一般家庭で飼いきれないと判断した種類は極力扱わない(客が常連で、そうした種類を扱う腕、スペース、金銭的余裕があると判断した場合にはオーダー分を入荷したりしていたが)

 といった信条がメインにあったと思う。これは生き物を扱う上で結構大事なことで、生き物を売買するというのは信用問題が絡んでくる。個体の状態もろくすっぽ把握しておらず、どんな種類も売ったら売りっぱなし。これではまず商売として無様である。爬虫類を飼う時は、飼う側の眼も大事であるという意見もあるが、ヘロヘロの中から何とか生き延びそうな生体を選ぶなんて、スタートから商売のスタンスが間違っている。というか志が低すぎる。
 ショップはあくまでキープの場所である、というのは正しい意見と思うがそのキープさえ出来ていなくて専門店を名乗り大手を振って広告を載せることの恥ずかしさに気づいていない店が多いのは、この趣味の品位を下げている行為に他ならない。売れ残った生体の状態がどんどん上がっていくような店でないとほんとうのプロとは言えないのではないだろうか。

 個人でも持て余すような種類が平気で大量に売られていて、なおかつ店側がそれをアナウンスしないという状況がまかり通っていたために、昨今の危険動物外来種問題が噴出した。勿論、売る側ばかりでなく買う側にも多分に問題を孕んでいる問題ではあるが、スタートである売る側の志が低ければ、消費者はもっと低次元で動いてしまう。中にはしっかりした飼育者もいて、こうした種類をしっかり飼っている場合も多いが、概して問題になるような種類というのは安価で、安易に購入出来てしまうものが多いため、自ずと低レベルの意識しか持っていない飼育者も増えてくる。

 たとえばイグアナなんて良い例で、地元のショップでは「こんなもん一般家庭で飼える人間なんて一部やで」という意見で、一度も入荷しようとしなかった。イグアナ欲しいですぅ、なんて初心者が来たら滔々と説教かましていた。
 安価で、きれいで、売れるからという理由でイグアナは一時期日本中でパカパカ売られていたわけだが、案の定飼いきれる人間は少なく、遺棄や返品が続出して、石垣島では帰化までした。これもショップが先見性も信条も持たず、目先の商売を率先させたため生じた結果である。
 
 爬虫類を売るというのはかなり特殊な商売である。気も使うし、頭もよくなければならない。技術もいる。肉体労働でもある。商売としてはかなりのセンスが要求される分野であると思う。先見性がなければ自分で自分の首を絞めてしまう可能性も多分に孕んでいる。
 そんな商売を数十年続けてきた親爺は言っていた。

 「モラルと意識の問題なんですよ、飼う側も売る側も。それがない人間が飼っちゃあかんて。それに爬虫類はモノが良ければどんなもんでもいいもんやで」

 なぜかちょっと真面目な話をする時は標準語が混じっていた。

オオヒキガエル

 さて、もう一つはプロとしての方向性。これを示してくれたのは、地元の2番目の店だ。こちらは比較的広いスペースに綺麗にアクリルケージが並べられ、中にいる生体はどれも外国のCBだった。はじめてその店に行ったのが中学の頃だったので、今から十年以上前になるがその当時からアマゾンベースンやらオズボーンブリードのハイグレードのギラモン、インディゴ、パーソンなんかが平気で並んでいた。この店のオーナーは物腰柔らかで、上品で、知識も豊富にある方だった(先のショップと店主の表記が違うのはイメージから、笑。親爺とオーナーって感じ)。
 そのオーナーが言うことは「せっかくマニアとして買うならいいもの買っとかないと」ということで、当時から諸外国のブリーダーを相手に一番良い血筋、最先端の品種、最高の状態を提供していた。CBのみを扱うのは、ワイルドで入ってきたものは未知のウイルスや感染症を持ったものが多いため疫学的な予防の為であるという。
 さすがにその頃は僕自身血筋の良さやあまりにマニアックな種類の評価などは分からなかったが、今思い返してみるとすごいプロショップとしてやっている店だった。はなからハイグレードの飼育者にのみ対象を絞っていたショップだったが、高くて何も買えないガキンチョの僕に丁寧に接してくれたのはオーナーの人柄だったのだろう。
 
 最初からいいものに触れていれば、無駄な買い物はしなくなる、というのはビバガで書かれていた言葉だが、まさにそうで安物ばかり買って無様な飼育を続けていくよりも、ある程度の金を出し生体を買ったほうが真っ当だ。これは個体に対するクオリティと信用に金を出しているのであって、売る側買う側双方に利益をもたらすだろう。
 命に貴賎なし、とは思うがあまり多くの人の関心を惹かないような、ボロボロであったり、ペットとして、またその生き物の種として見たときの評価が芳しくないものを、安価にして貧乏根性で売り買いするよりもよほど命に対する敬意があるように思える。

 値段でも種類でもなく、個体の持つ資質を第一にショップは商売をすべきなんだと思う。

 大量入荷したり、薄利多売したりするショップがなければこの趣味の裾野の発展はなかなか望めないし、それの恩恵にあずかってどんどん珍しい種類が入っている面は否定はしない。しかし、そうしたショップが未だ大手を振って歩いている状態ではいつまでたっても下賤な趣味に見られてしまうだろう。珍しい種類が入らなくても親爺の言葉通り「モノが良ければどんなもんでもいいもん」なのだ。
 爬虫類をほんとに昔から好きな人は、例えポピュラー種であっても馬鹿にしないだろうし、その種の持つ面白さが見いだせると思う。レア種というブランドばかり掲げて本質的な趣味という側面を忘れてしまっていては芸がない。自転車操業と同じであろう。

 爬虫類ショップとしてどう在るか?それを体現した上記の地元のショップは今も経営を続けている。
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テーマ:爬虫類 - ジャンル:ペット

  1. 2009/02/01(日) 08:20:57|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

深いですな。
地元にそういうちゃんとしたお店があって若いころから通える環境があって…羨ましい。
  1. URL |
  2. 2009/02/02(月) 19:29:56 |
  3. マッド #-
  4. [ 編集 ]

>マッドさん
たまたま良い店に巡り合えたわけですが、これが件の東京のダメショップだったら認識は変わっていたのかもしれませんね。
  1. URL |
  2. 2009/02/03(火) 06:57:52 |
  3. 化野 #-
  4. [ 編集 ]

いい話です

自分も初心に戻って頑張って行こうって思います!何かありがとうございます!
  1. URL |
  2. 2013/01/21(月) 03:53:08 |
  3. 古賀 #9LyGMz8o
  4. [ 編集 ]

古賀さん

随分前の記事に恐縮です…
結構青臭いこと言ってますね、笑

でも、まぁ商売上の都合や生き物相手の色々なままならないことがあるにせよ、ショップの方々にはプロという言葉を自分たち向で無く、消費者に向けた納得させる言葉としての営業を貫いてほしいものです。
  1. URL |
  2. 2013/01/26(土) 20:26:21 |
  3. 化野 #-
  4. [ 編集 ]

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