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爬虫類やらその他のイキモノ

アカマタ飼いませう

アカマタ

 って、別に飼わなくてもいいんですが、たぶん世間様の多くはこの蛇を誤解してらっしゃる。

「荒い・大人になれば汚くなる・急に死ぬ」とそういったイメージがおありでしょう。とんでもないことですが、まぁ大体あってます(笑

 でもですね、こうしたイメージを克服してこそ見えてくるアカマタのスバラしさというのがあるんですよ。第一、大きくなっても綺麗だし、そんな成長の変化を如実に感じるほど長期に渡って飼育している人はいないでしょうし。
 確かに幼蛇は派手です。模様色彩共に鮮明です。しかし、成長するにつれだんだんとその容姿は変わっていきます。これは何と言いますかね、まぁちっさい頃はジャニーズなんです。もう派手だし綺麗だし、ワー!キャー!てなもんです。で、大人になれば唐沢寿明になるんです。味が出る。役所広司でもいいかもしんない。
 こんなバカスカ咬みついてくる役所広司もあったもんじゃないんですが、まぁぁ渋い、そしてかっこいい蛇に育っていくわけですよ。女性で例えればよかったんですが、この蛇があんまし女性的でないし、伝説ではアカマタは美青年に化けるらしいので、ジャニーズでいいんです。

アカマタ
 
 「荒い」という点ですが、これは結構どうしようもありません。一部CBも出回ることがありますが、これもワイルドとなんら変わらなく咬みついてくる。50代くらい累代飼育が続けばもしかしたら大人しくなるかも知れませんが、いまだ現実的ではございません。沖縄本島周囲にある、ある無人島の個体群はまったく威嚇もせず咬みつかず、その大人しさは五大陸に響き渡るが如しなんですが、まぁこうしたものはかなり稀有な例で、大抵は咬みまくりです。

 ただですね、これも飼育していくとその荒いの質はちょこっと改善されると思うのです。アカマタ場合大抵が野外で直接捕まえてくるか、一部ショップで適当に管理されてるワイルドを飼ってくるかなんですが、この場合まずアカマタに触るとですね、もう兎に角咬みついてくる。上手に腕に這わせても、においを嗅いで確実に素肌に咬みついてくる。

 こうなったらもう普通は触るどころじゃないですわな。しかし、ここで我慢して2,3度咬まれましょう。そうするとあら不思議、ある日あの「匂い嗅ぎ咬み」をしなくなってきます。こうなればしめたもので、あとはゆるゆると腕の這わせたりなんかしてハンドリングできるようになるのです。

 ま、こっちが大仰な動きをすれば、すぐ威嚇姿勢をとって咬みつこうとするんですが、これは僕らがアカマタ様の心の動きをまだ理解する努力を怠ったせいで、「匂い嗅ぎ咬み」がなくなった時点でアカマタ様はかなり僕らに対し理解を示して下さっているわけです。アカマタハンドリングはまずある程度あらかたのヘビのハンドリングを経験した人じゃないとすぐには薦められませんが、「匂い嗅ぎ咬み」をしなくなった個体をゆるゆる触っているのは適度な緊張感もあり、蛇好きにはお薦めです。

 最後に急に死ぬ、ですが。これは頻繁な給餌と栄養価が高すぎる餌がかなり効いているように思えます。マウスのみの給餌は確かによう太るし楽なんですが、これやってると数年スパンで突然死するように思えます。それはどのサイズでも一緒で、でっかい個体にもアダルトマウスを与え続けるとよくない結果が待っているようです。

 というわけで、給餌には適度な手抜きをしてやるのがいいかと。手抜きってのは給餌間隔だったり、餌にレバーとかハツとかウズラだとかを中心に与えたりして、なんというかメリケン的暴飲暴食給餌から平安庶民的質素給餌に切り替えるのがいいと思うんです。いまのヘビ飼育の大半はもうアメリカ人の食事並に栄養地獄ですから、日本の蛇くらい日本人的な質素な給餌でもいいと思うんですね。理想はおそらく、きちんと駆虫した個体に対して一度冷凍したカエル・トカゲ・ウズラ中心の給餌で、たまに肉類・小さめのマウスを与えるのがいいかと。

 野生下でも10年以上存命している場合が多いヘビですので(椎骨の齢査定を行った研究から1m以上あるような個体はかなり長生きしている場合が多いようです)、本来強健だし長生きのはずなので、本種を現在飼育している場合末永く付き合っていきたいものです。
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テーマ:爬虫類 - ジャンル:ペット

  1. 2009/01/22(木) 23:35:01|
  2. Dinodon/Lycodon
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
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コメント

咬まないアカマタってのは嬉しいような、さびしいような・・・。

昨年もビックなアカマタにおもくそガバガバやられたす・・・もう血がダバダバ。
昔のカメ呑みクソマダラを思い出しただよ。
  1. URL |
  2. 2009/01/23(金) 03:31:08 |
  3. てふてふ #-
  4. [ 編集 ]

進行方向にカメラを構えてるだけなのに咬まれますもんね^^; その性格を知らない初めてアカマタと出会ったときは思わずMっ気が出てしまいました(笑
  1. URL |
  2. 2009/01/26(月) 02:26:12 |
  3. ジーク #-
  4. [ 編集 ]

>てふてふさん
 うん、やっぱ咬んでこそのアカマタですよ。なんか従順だと気味悪いね、笑。
 マダラは痛かった!たぶん同サイズで比べるとアカマタよりもサキシママダラの方が痛い!

>ジークさん
カメラにぶつかるとレンズに唾液が付くんですよね。
アカマタの前では誰しもMになりますたい。
  1. URL |
  2. 2009/01/26(月) 06:01:11 |
  3. 化野 #-
  4. [ 編集 ]

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