マダラロリカリア
Liposarcus multiradiatus ヒポプレコと言ったほうが分かりやすい。沖縄本島で帰化が確認されている。南米の魚がこうも簡単に亜熱帯(冬場の気温など10℃前後になる場合もある)の島に帰化するとは結構驚き。石垣でイグアナが帰化するのも想定外だったようで、新大陸の生き物の図太さには恐れ入る。
水槽のコケ取り魚として大量にそして安価に売られているが、本種はそこまで優秀な掃除屋でもないし、でかくなるから大抵の場合持て余す。その結果かなりの数が捨てられて帰化しているわけで、本種の繁栄は熱帯魚飼育においてモラルない行動をとる方々が多いというのを端的に示してくれる。
これほど帰化しているにもかかわらず、ショップを覘けば相変わらず5,6cmの幼魚が数百円で売られている。あまり真面目でない飼育者はこの数センチのコケ取り屋さんが、近所の池で悠々と泳いでいる鯉並みの巨大な魚と同一種だとは認識すらしていないかもしれない。
テレビのニュースなどではたまにこうした帰化魚種を特集することはあるが、名称がマダラロリカリアでは認知しづらいだろう。概して販売されているものの名称はプレコなのだから、一般に啓蒙するという意味でもこちらの通称を用いたほうが良いような気はする。
まぁ、そうしたネガティブな側面を無視して、生体そのものを見ればかなり格好良い魚である。僕としてはこうした体型と色彩のプレコは結構好きで、昔地元のショップで同属の
L. anisitsi なんかが入荷した時にはかなりグッときた。広い水槽が用意できれば、これはぜひ飼いたい魚種ではある。近くの池に行けばそれこそ色んな個体を選び放題なのだ。
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テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真
2008/11/26(水) 13:26:55 |
魚類 Fish
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| コメント:5
あまりにも養殖個体が格安で出回り過ぎて、WILDモノって見たこと無いですね。
そういう意味では、なかなか素晴らしい個体かと思います♪
水槽だと大概”黒化”しちゃって、このキレイなマダラ模様はほとんど見れませんからね~。
私も、セルフィンプレコ等、こっち系のプレコが一番プレコらしくて好きなので、帰化の是非はさて置き、選びたい放題っていうのは羨ましいかも♪笑
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2008/11/26(水) 19:51:52 |
くろたまナイト #-
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>くろたまナイトさん
やはり何でも野生のものには敵わないですよ。
確かに水槽では黒化してぼんやりとした印象しかありませんね。
初めて野外でこいつを見た時は、同じ種類とは全く思えませんでした。不謹慎ながら、人工池に限ってはセルフィンも帰化してほしいと思ってしまいます。セルフィンのあの優雅さは他のプレコには無いですよ。値段のせいで目が曇りがちですが、トップクラスに美しいプレコですね。
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2008/11/27(木) 21:07:11 |
化野 #-
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何物ぞと、目を見張ってしまいました。
名前はよく聞くけれど(何かと間違ってる可能性大)、このような大物とは。
捨てて放流するのは、殺すに忍びないから自分で死んでくれたらなんでしょうか?
可愛いと話題のカピパラも、淀川河川敷で繁殖して問題となってるようで。
何頭捨てれば、インブリードでなく、増えるんでしょうね。
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2008/11/28(金) 06:30:54 |
眞帆 #-
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>眞帆さん
捨てる人はおそらくそこまで深い思考はしていなく、「いらないやぁ」と思ったら目の前から消す方法だけを考えて、一番安易な捨てるという選択肢しか思い浮かばない短絡的な思考の持ち主でしょう。
野外で帰化している種のほとんどが大量に養殖されているような生き物ですが、オオヒキやアメリカザリガニのようにわずかな種親から増えていったものは相当インブリードでしょうね。それでもそう奇形等が続出しないところが恐ろしいですが。
ところで淀川で増えているのはヌートリアでは?カピバラが増えていたら可愛過ぎます、笑
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2008/11/29(土) 00:14:26 |
化野 #-
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と、聞いてんですが。あれ?
可愛い巨大ネズミと聞き驚きました。小さいものだと・・・。
ヌートリアは、確か岡山だかで、増えてましたね。
『ヌーが・・・』と言って、恥かきました(苦笑)。
誰がそんなの、飼ってたんだって(笑)。
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2008/11/29(土) 09:28:55 |
眞帆 #-
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