Groveling things

爬虫類やらその他のイキモノ

赤目の小さな竜

アカメカブトトカゲ
アカメカブトトカゲ Tribolonotus gracilis

 「昔は高根の花、今は野傍の草」ってな爬虫類は実は結構いる。これはペット業界の話で、そうした爬虫類はネットなんかがはやる前には知る人も少なく、流通もせず、一部の玄人だけが恋い焦がれ、憧憬した所謂マニア垂涎種って奴だ。虫の世界では結構そういう種は多くて、これは現地での生態が解明され、採集の方法がわかったり、流通ルートが確立して市場に大量に出回るといったパターンだ。元々垂涎種と言われていたものだけに、市場に出回るとあっという間に売れ渡るが、それが当たり前になってくると市場での価値はどんどん下がってくる。そうなるとまず商品としての扱いとしては悪くなるし、その生き物の価値が「欲しいから買う」ではなく「何となく安いから買う」といった方向にいってしまう。

 カブトトカゲなんてのはそんな爬虫類の一つで、古いマニアにとっては思い入れのあるトカゲだが、最近爬虫類を始めた人間にとっては、割とどこでも売られているそんなに高くない変わったトカゲという印象だろう。基本的に性格は陰性なので、フトアゴやモニターなんかにあるトカゲ特有の陽気さを求める飼育も出来ない。手間をかければそれなりに馴れるし(ピンセットから餌を取る程度だが)、活動している姿も見せてくれるが、やはりひっそりと飼い、キープしていることを満足とするような、そんな古い爬虫類飼育タイプのトカゲだ。


アカメカブトトカゲ

 写真を見てもわかると思うが、非常に特徴的なフォルムをしたトカゲで、一昔前は古い小学館の爬虫両生類図鑑の巻末にある切手の図版でしかその姿を拝むことが出来なかった。そうした経緯があるもんで、古いマニアはこのトカゲの実物に恋い焦がれたし、なにより写真でいいから見てみたいと思ったという。
 僕が外国の爬虫類に目を向けだした小学校高学年の頃(90年代初頭か)にようやく爬虫類専門誌などが発行され、カブトトカゲも輸入されだした。当時は非常に高価だったし、飼育法もわからず、死にやすいトカゲだったという。実際僕が飼育したのは高校生の頃で、まだ比較的高価(小型スキンクとしては)で、飼育法も確立していなかったからおっかなびっくり飼っていた。とりあえずその個体は僕が大学に行く時、人に譲ってしまったがほとんど姿を見せず、たまにコオロギをほおりこむというだけの簡素なキープで何とか2年くらい生きていた。正直飼っていて「飼育が楽しいか」と言われれば別段おもしろいことはないのだけれど、そこに居るだけで満足できるトカゲだった。

 さて、そんなトカゲであるが昨今では流通ルートが確立して、大量といえる数のカブトトカゲが入って来るようになった。輸入技術向上のためか、状態の悪い個体が入ってくることも少なく、比較的飼育も容易なトカゲとなってきているようだ。

 僕は先日の九州レプタイルフェスタで、本種の状態の良いペアを発見し、久しぶりに飼っているわけだが、値段も安く、状態も申し分ないのに会場では僕が買うまで最後まで売れずに残っていた。一昔前ならすぐに売れていただろうし、誰もが「おお!」という感じで手に取るトカゲだったが、いまや誰からも見過ごされるようなトカゲになってしまっていた。これほど流通しているものだし、飼育もそう難しくないのだから、仕様の無い流れではあるのだけれど、このトカゲを見ていると、今の流れでどんどんそうした今浦島的な爬虫類が増えてきているようで寂しく思う。
スポンサーサイト

テーマ:生き物の写真 - ジャンル:写真

  1. 2012/06/21(木) 14:31:04|
  2. トカゲ Lizards
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

ボ-ルパイソン

ボールパイソン
ボールパイソン Python regius

 昨今のボールパイソンを取り巻く現状は、錦鯉文化に通じるものがある。観賞用として家畜化される生き物の終着点の最たるものは金魚なのかもしれないが、その道はアジアアロワナや各種古代魚が歩んでいる。ショートボディなどが品種として持て囃されだすと、最早それは野生動物の域を超えてきている。錦鯉はまだ鯉としての本分があって、ボールパイソンも同様だろう。しかし、今日野性の鯉をありがたがって飼う人はあまりおらんだろうし、ボールパイソンも巨頭化した、荒々しい、餌付くかどうかないかもわからぬワイルド個体を求める人も少なくなってきているだろう。

 別にどちらが崇高だとか、本物だとかを云う気はない。ただ、同じものを扱っていながらも、徐々に文化が異なって行っているだけなのだろう。爬虫類界におけるその変化は一見緩慢だが、二つが大きく分岐して、いずれ交わらなくなるであろうことは、最近の飼育者の傾向を見ていると切に感じる。

 私のような感覚の人間は、旧感覚の異物として、今後は趣味的にも、地球環境的にも疎まれていくことだろう。

テーマ:生き物の写真 - ジャンル:写真

  1. 2012/06/15(金) 03:34:17|
  2. ボア・パイソン Boas and Pythons
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:7

ヘビなんて

グリーンツリーパイソン
ミドリニシキヘビ Morelia viridis

「ヘビなんて飼ってんじゃねぇよなぁ」とは思っていても、飼わざるを得ないこの病。

マンバかアマガサの牙にかかって、その生が終えるまで治ることはないのだろう。

テーマ:生き物の写真 - ジャンル:写真

  1. 2012/06/11(月) 23:20:47|
  2. ボア・パイソン Boas and Pythons
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

復活

ホンハブ
ホンハブ Protobothrops flavoviridis
撮影地:沖縄島国頭村

 なんとか壊れた外付けHDDから写真データのサルベージに成功。これからはデータは分散して保存しておこう。来年の巳年に向けてのプロジェクトHで僕の写真は不可欠だったので、HDDが壊れた時はほんと目の前が真っ暗になったよ。

(使用カメラ:OLYMPUS E-620)

テーマ:生き物の写真 - ジャンル:写真

  1. 2012/06/09(土) 23:07:57|
  2. ホンハブ Protobothrops flavoviridis
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

プロフィール

アダシノレン

Author:アダシノレン
ノーダリニッチ島へ

修士[理学]


Mail : アルファベット小文字で,b.candidus@gmail.com



当ブログへのリンクはフリーですが、写真の無断使用・転用はお断りします。きちんと言って下さいまし。


使用カメラ : LUMIX DMC-FZ50
      : OLYMPUS E-620
: OLYMPUS E-3

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード