オオカマキリ
Tenodera aridifolia 洋画で「The Deadly Mantis」という映画があるのだけれど、これが日本では観る事ができない。いや、正確に言えば日本向けにソフト化されていないだけで、コアなファンは向こうのビデオとかなにやらを持ってはいるんだろうけど、今のところ国内で本作品を見ようと思ってもそう簡単に叶うものではない。
菊池秀行氏などは本作を絶賛しているようだが、蟷螂好きの僕としても多分見れば手放しで讃えると思う。なんたって僕が東宝で一番好きな怪獣はカマキラスなわけで、「ゴジラの息子」に登場するカマキラスは、12人くらいでセットの上下から糸を吊って動かしたといわれるあの動きと飛翔シーンの優美さ、そしてゴジラとクモンガにやられるあの儚さが随一だと思うし、特撮の良さをビンビンに感じられるシーンでもあった。故にファイナルヲーズのあのなめきったカマキラスはカマキラスじゃない。ハリーハウゼンじゃなくても、くたばれCGと言いたい。
「大蛇王 HONGKONG崩壊の序曲」はちょっとあんまりだったし、「怪獣総進撃」のマンダには到底及ぶものでなかったが、死のオオカマキリはやってくれると思う。
しかし、こうして見ると東宝の怪獣って外国のモンスターパニック系で主役張ってるんですね。大コンドルが「The Giant Claw」とかオオダコは「テンタクルズ」以外にも引っ張りだこだし。あ、うまいこと言えましたね。
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2009/02/27(金) 16:30:52 |
蟲 Invertebrates
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クロイワトカゲモドキ
Goniurosaurus kuroiwae kuroiwae なんだ、またクロイワじゃねぇか!とか憤らないで下さい。今日のクロイワは一味違うのです。顔に注目。
そう、オメメが開いた写真なのです。僕の場合外部ストロボを同調させて撮ったりしているんですが、どうも常時使っていストロボは純正じゃないせいか、本体と素直に光が合わないんですよね。大体赤目軽減モードで焚いて、2発目で写る。なので、トカゲモドキの場合瞳孔が閉じきってしまうわけで、凶悪な顔つきの写真ばかりだったわけですよ。
で、先日別のストロボ使った際に、うまいこと一発目の光で写すことが出来ましてね、それで瞳孔の開いた写真を撮ってやろうじゃないのってなったわけです。カエルとかヘビならまだ2発ストロボでも撮れるんですが、トカゲモドキというかヤモリ系はシビアですからね。中々こう瞳が開いてる写真ないじゃないですか。
もう、なんか別の生物。かわいいというかなんちゅうか、目でけぇな。
遠巻きにとっても瞳は開いて。カエルの鳴いてる写真撮るのと同じで、暗闇の中ジッとするのです。で、いざストロボ焚いたらいなくなっていることもしばしば、笑。
これなんかは相当開いている方ですかね。う~ん、なんとも。
ベビィは親より可愛くないってなことをさんざん言ってるわけですが、これならまだ可愛らしいかな。でも、あんまり開いてないっすね。
隠れてる子も写してみる。本種はだいたいこういう石灰岩のなかに隠れているようです。ハイナンなんかも似た感じなのかな。
いちお最後にいつもの凶悪な眼。これはこれで好きなんですが。
今年は離島のトカゲモドキを制覇したひ。
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2009/02/26(木) 13:17:39 |
トカゲモドキ Eyelash Geckos
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リュウキュウアオヘビ
Cyclophiops semicarinatus えっと…虫歯やらかしましてね。もうだいぶ前からマリアナ海溝くらい深い穴があいてて、それでも痛くはなかったんですよ。でもですね、このアオヘビ撮っている時、こうバイキン達がイヒヒヒヒと僕の歯の神経をあの三又の槍で突き出したんですよ。
痛いじゃないか。
というわけで、やんばるからとんぼ返りして歯医者に駆け込んだわけです。で、治療してもらったんですが、もうダメのダメダメな感じの虫歯らしく、ユカタン半島に落ちた隕石くらいでかい穴をあけられて、詰め物されました。とりあえず何度か通うことになったんですが、一回目の治療はここまで。
「(治療した側で)噛むと痛いかもしれませんよー」と女医さんに言われて食事の時は気をつけていたんですが、寝てて、たぶん歯を噛み合わせたんでしょうね。痛くてパッと目が覚めた。というわけで、画像をアップしています。
結構ですね、生き物撮ってる時は痛みを忘れられたんですが、運転中とか、散策中とかテンションダダ落ちになるくらい痛かった。さらには最後の方写真撮ってる間も痛みを感じだしましてね。アオヘビの写真はこんな感じですよ。もうちょっと頑張れた、僕。
しかし、ブリブリしてますよねぇ。こんな普通のナミヘビ体型でミミズしか食べないとかふざけてますよ。あれにどんだけカロリーがあるんだよ。
それにこのアグレッシヴさ。やんばるのナミヘビはアカマタでもヒバァでも立ち上がって威嚇しますが、こうしたナミヘビ系が似た威嚇行動をするのは、これが外敵に対して効果的である、もしくは効果的であったのでしょうねぇ。イノシシやら猛禽にはサさほど効果がないように思えるんですが、いったい何を想定しての威嚇行動なのか。逆に八重山に行くとスジオだのサキシママダラ、サキシマアオヘビだのはあまり威嚇せず、逃げに徹するものが多い気がします。これもそうした行動の方が適応的だったのか。ヤマネコとかなら威嚇なんかてんで無意味で、問答無用で食いにかかるからかな。
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2009/02/25(水) 05:02:06 |
ナミヘビ(国産) Colubridae (Japan)
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ブラジル写真第6弾 夜のリバークルーズ
ワニを見に行くナイトツアー。川面を照らせば虹色に光るワニの目、眼。種類はメガネカイマン
Caiman crocodilus . 亜種としても
C. c.crocodilus だろう。最近知ったが、 yacare亜種なんかはFull species 、つまり独立種として認識されてるよう。
親父に掴まれて怒り心頭の図。
掴んだ親父は皆に写真撮られてご満悦。にしても以前の市場のスナップといい、ブラジルの人の表情は最高。あぁ、もう一度行きたい。
「ほら、ワニには舌がないだろう?魚に食べられちゃうんだよ」
適当な解説をかましてくれる。
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2009/02/24(火) 21:49:07 |
ワニ Aligators
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ホルストガエル
Rana holsti 前回そそくさと逃げられたホルストガエル。今回は地面に出ていただけあって、ちゃんと寄れた。このオメメのかわゆきこと。そう大きな個体でなかったので、乳の発達はイマイチ。このカエル、大きな個体になると乳が垂れてくるのである、笑。
こういう感じの微乳な一枚。この後アスファルト道には現れた巨大な個体も現れたが、車を止め、2,3歩近づくとひとっとびでサヨウナラ。イシカワやナミエは割と伏せたりしてその場を動かないのだが、こいつは結構逃げるカエルなのだ。
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2009/02/24(火) 14:30:42 |
カエル Frogs
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ヒメハブ
Ovophis okinavensis 調査やらで、数十単位のヒメハブを扱ってはいたのだが、ふと思い返すと本種を趣味的に撮ったことが殆んどないことに気づいた。調査ってのは個体確保が最優先で、じっくり写真なんぞ撮っていたら逃げられること風の如しなので、写真なんぞ2の次になってしまうからだ。
ウミヘビなんてのもその類で、洞窟に20ばかし集まっている様なぞ壮観なのだが、光を当てればワラワラと散ってしまうので、写真なんか撮っていられない。調査抜きで、純粋に写真だけ撮りに行きたい。
しかし、このヒメハブ。ストロボを持つ手に反応して上ばかり見ている。これで鼻先に突起がついたらまんまヒャッポダ。もう少し光を抑え気味にしたほうが、雰囲気が出たかもしれない。次への課題です。さて、これか呑みにいこう。
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2009/02/22(日) 18:08:02 |
クサリヘビ Vipers
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モノクルコブラ Naja kaouthia
もう、以前のこのコブラのとこで書いたように、名称は背中の模様からモノクルコブラとしてみる。コブラなんてそうそう撮る機会がないわけだが、いざ接してみると「あらっ!?こんなもんなの?」と思うかもしれない。
とにかく攻撃は遅い。ハブやらの管牙類の攻撃の速さは言わずもがなだが、あれは毒を打ち込むということに特化した攻撃スタイルで、コブラのように咬みつきっぱなしで毒を注入するような攻撃スタイルではそもそもの次元が違う。とにかくコブラというのはこうもフードを広げたり、大きな噴気音を出したりと派手なパフォーマンスからわかるように、できる限り咬みたくはないのだ。それはまぁハブとて同じだが、あっちは反射的に熱源に反応したりして咬むことがあり、コブラに比べてやや機械的と言えるかもしれない。
たぶん攻撃の速度から言うと無毒蛇のアカマタやアオダイショウといった連中の方が速いだろう。しかし、一撃の重さはコブラは随一で、咬まれればそれでおしまい、左様ならという事態になりかねない。
なので、撮る時はめちゃくちゃ緊張する。それ故こんな中途半端な構図になってしまっているのです。それにしてもグリーバス将軍いいなぁ。 それでいてオビ・ワンが乗ってるトカゲの動きがハルマヘラジャイアントっぽくておかしい。
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2009/02/21(土) 21:35:14 |
コブラ Elapidae
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ブラジル写真第5弾は、ホモサピエンス、笑
マナウスはネグロ川に隣接する都市で、ブラジルの中でも田舎の地方都市といった趣。サンパウロから渡ってくると、感覚的には沖縄で言えば、ちょうど名護市から那覇市に行った感じ。勿論サンパウロの方が那覇より都会なわけだけど。
ただし人々は結構純朴で、南米といえば犯罪都市!的なイメージがある中で、結構のんびりした雰囲気のある街だった。裏通りとか夜の道は危ないかもしれないが、昼間こうしてプラプラ市場なぞを冷やかしに行くと、皆日本人が珍しいのか「コンニーチハ!アリガトゴゼマス!」といったいかにもな片言ニホンゴ使って話しかけてくる。移民は多少なりともいるはずなのに、滞在中日本人ぽいひとは全く見かけなかったなぁ。日本語ぺらぺらのプロレスラーみたいなブラジル人はいたけど。
写真も大好きみたいで、カメラを向けると進んでポージングしてくれたり、皆を呼んで大騒ぎになる、笑。
写真のおばちゃん、撮られている間にまわりのおっさん達から「パクー!パクー!」とはやし立てられていた。ちなみにパクーとは現地語で、ミロソマなどの腹の突き出た魚をさす、笑。
おっさんたちも昼間からビールをかっくらっているので、皆腹は少なからず出てはいるのだが。それにしても着ているTシャツがマナティー。そっちの方が似てんじゃん!
で、囃し立ててたおっさんのひとり。ピララーラ!と言って写真を撮ろうとすると口を開けてくれるサービス。魚の現地名はいくつか知ってたので、アレは無いかコレは無いかと聞くとなにやら皆してあーだこーだ言ってきてくれる。現地の言葉なんかわからんから「へ~そうなんだ、でも何言ってるかわっかんないよー」と日本語で応えるとガハハと笑う。こっちも何かおかしくてダハハと笑う。そんな感じのマナウス市場。
そういえばこのおっさん、数年前どこかのブラジル観光した人のサイトにも写っていたような気がする。このときよりも若く、髪があったが、明らかに同じ場所で魚をさばいていた。
真面目に仕事しているようだが、昼を過ぎるとあらかた魚はさばききって、台の上で寝ていたりする。なので、市場を見に行くには午前中の早い時間がお勧め。
魚の主力商品はコロソマや淡水イシモチ、そして大型ナマズ。これにオスカーだのトライアングルシクリッドだのカショーロだのが混じる。アロワナの数はそう多くないが、中にはとんでもなくでかいブラックアロワナがいたりする。パッと見シルバーに見えたが、鱗の感じや色彩からブラックだろうと。あ、ちなみに写っているやつはシルバーでしょう。
そんなわけでマナウス。生物好きの方なら手頃に南米らしさを味わえるのでお勧めの都市です。
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2009/02/20(金) 13:15:27 |
哺乳類 Mammals
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ホルストガエル
Rana holsti ・・・せっかく逢えたのに
もう、さよならなんて・・・
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2009/02/19(木) 18:30:22 |
カエル Frogs
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イシカワガエル
Rana ishikawae 誰が言ったか知らないが、日本で最も美しいとされるカエル。この美しさもさることながら、その大きさに度肝抜かれる。モリアオガエルくらいだろうと思っていると、ちょっとしたウシガエルくあいあるサイズでこの色彩。しかも目がやたらでかいから、その存在感は圧倒的。
ちょうど今くらいが、やんばるの沢のあちこちでオス同士鳴き交わしていて、場所が良ければ一つの沢で4,5個体は楽に見られる。待ってるのがかったるかったんで、鳴いている瞬間の写真は撮らなかったが、今度行った時は辛抱強く明かりを消して、鳴嚢を膨らましている写真に挑戦しようか。この個体もちょっと前までヒャークォーって鳴いてた雄で、その名残で喉のところにたるみがある。
おっと、こっちに気づいて伏せてしまった。じゃあ、また今度。
テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真
2009/02/19(木) 00:32:48 |
カエル Frogs
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メチャクチャ久しぶりに北部のクロイワトカゲモドキ
Goniurosaurus kuroiwae kuroiwae 南部はすぐ近くに撮りに行ける場所があるので、ちょいちょい通っているのだが、北部に行くとなるとちょっとした遠征。それでもぶっ飛ばせば2時間くらいで着いちまうので、単に気力の問題なのかもしれない。この日出たのはたった2個体。わりあい素敵な日だと思ったんだけどなぁ。
どうも両生類にとってはいい日だった様で、以前載せたイボイモリだのイシカワガエルだのがテンコ盛り。後日またポツポツ載せてきます。
しかし、やっぱり北部のクロイワはシックと言うかアダルティーな色彩をしている。南部のものを見慣れていると、だいぶ印象がかわる。ちなみに僕はまだ北部でストライプ状の模様を持った個体を見た事が無い。いるのかしら。
で、こちらは南部のクロイワ氏。模様が大柄なので、全体的に明るいイメージか。
背面は見事なストライプ。以前南部でもちょこっと北部のクロイワ氏の様に細かい模様を持ったものも見かけたが、大体出てくるのはこうしたストライプかストライプ崩れ。まぁどっちも好きだからいいんですけどね。今年はもっと北部産を撮ろう。
クロイワトカゲモドキは沖縄県指定の天然記念物になっています。採集は駄目っすよ。
テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真
2009/02/18(水) 21:42:08 |
トカゲモドキ Eyelash Geckos
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前回この蛇のとこで偉そうなことを書いてしまったので、そのことを自分で実行すべく論文に記載されている本種と他種との識別点なぞまとめてみる。Harvey et al. ,2000より。
1) 2もしくは3ペアの大きな頭頂板の対があり、個体によっては適当な感じの頭頂間板たちによって遮られている。
2) 成体の背面のパターンは一定であり、幼体では分散したような斑紋パターンがある。バンド数は多いが、体の前半で不鮮明になる。
3) 成体では黒い瞳と灰色の虹彩、もしくはブロンズ色の瞳で茶色い光彩をしている。
4) 頸部の黒い横帯はない。
5) 目の後ろにある黒い線は孵化直後のものにしか見られない。
6) 成体は3.8mに達し、8.5kgになる。
7) 背面から見て、丸みを帯びた吻端。
8) アザンティック(黄色くないやつ)といった色彩変異がある。
9) 顔の鱗が特徴的で、3枚並んだ頬板(アメジストでは2枚)があり、目と上唇板は眼下板で遮られる場合が多い。また、目の後方に並ぶ上唇板が多い。
と、論文に書いてあった識別点だが、どうも判りにくい。1の点を見ていると、写真のうちの個体、頭頂板の枚数は見事にあてはまるものの、頭頂間板は存在していない。それでもネット上でぷらぷら写真をめぐっていると、それなりに適当に頭頂板は分断されている個体もままいるみたい。うちの子が奇麗に整列しているのね。
頬板は3枚あってモルカンの特徴を有しているが、目はおもくそ直接上唇板に接している。この特徴は結構販売されている個体にも当てはまって、意外と眼下板がある個体は少ない様。上唇板の記述だが、平均的に6枚の個体が多く、他のアメジストコンプレックスでは大体5枚の様。でも、まぁ5枚の個体もいるようだし、他種で6枚のものもいうようなので、識別点としてはちょっと不安が残るかも。
結局は色柄で見るのが一番確実かも知れない。モルカンの色彩は変異の幅はあれど「モルカンですっ!」ってな感じをしているから、あんまり興味無く、昨日今日これらのヘビを扱った人でなければすぐ見分けはつくだろう。
クリーパーNo.11(2002)のp.64に載っているアルー諸島産のアメジストパイソンとされる個体はちょっとモルカンぽく見えるが、産地インフォがしっかりしているようだし、やっぱりアメジスト的な色彩で首のバンドが確認できたり、頬板も2枚っぽいので、こうして総合的に判断を下すことで同定は可能かと思われる。
知りませんでした、では済まされないのが特定動物だから恐ろしい。
テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真
2009/02/18(水) 20:07:06 |
ボア・パイソン Boas and Pythons
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こげに立派になるホオグロヤモリ
Hemidactylus frenatus 。まぁ僕も餌用として使ってしまうが、改めて見返すと魅力的なヤモリなんだよなぁ。なんたって尻尾がトゲトゲなんですよ。ヘミダクティルスって侮れない。
それにしても、今やってるぴったんこかんかんのドラマが酷過ぎて笑える。なんじゃありゃ。
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2009/02/17(火) 20:37:36 |
ヤモリ Geckos
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以前にも載せたワキヒダフトオヤモリこと
Gehyra marginata どうもこのヤモリは色合いの濃淡をコロコロ変えるので、印象が変わりやすい。以前本種を載せた際は白ちい色合いになっていたが、夜の彼らはかなり濃い。ご覧あれ本気を出したハルマヘラを。
すでに白くなり始めているが、このくらいが地の模様もはっきり浮き出て素敵かもしれない。このようなナリして目が翡翠色だなんて素敵なヤモリじゃないか。
本種に限らず
Gehyra 属には結構いろいろ素敵なヤモリがいて、オーストラリアやミクロネシア・メラネシアの島々などといったオセアニア地域ではそれなりに繁栄しているグループでもある。タヒチやフィジーにも同属で、まず日本では見られないようなものが壁にくっついていたりするので、新婚旅行の折にはお探しあれ。
テーマ:爬虫類 - ジャンル:ペット
2009/02/17(火) 13:12:35 |
ヤモリ Geckos
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今の沖縄ではそこかしこでオキナワアオガエル
Rhacophorus viridis viridis が求愛コール
蛙写真は、瞳孔ができるだけ開いているほうが可愛らしく写るのだけれど、100%開いている状態だとグレイっぽくてちょっと恐いかもしれない。吻端を縮めてやればケショウネコメガエル
Phyllomedusa boliviana に見えなくも無い
理想は、上の写真より気持ちチョイ開いたくらいがベストでせう。
テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真
2009/02/16(月) 10:38:05 |
カエル Frogs
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蛇には手がないからって、四肢を備えた我々に劣るわけではない。
ちゃんとカメラを向ければこの様にピースサインをするのだ。
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2009/02/15(日) 15:08:19 |
ナミヘビ(国産) Colubridae (Japan)
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イボイモリ
Echinotriton andersoni 所謂、遺存固有種で同属は南琉球・台湾を飛び越して大陸にいる。もともとの
Tylotriton 属から分かれたようだから
Echinotriton 属は本種と
E.chinhaiensis の2種のみ。本種は県指定の天然記念物。
去年はなっかなか出会えなかったけど、今日でドバッと出た。言うても11個体だったけど、満足満足。結構側溝に落っこちている個体が多く、一応脱出口があるから大丈夫だとは思うが、結構どうしようもないところで途方にくれている個体もチラホラ。
やっぱり君は森にいればいいよ。
北部ではだいぶ側溝状況は改善されているが、中部などは悲惨な場所が多いよう。もともと干からびたような外見をしていて乾燥にも強いとは言え、いちおうイモリで、両生類なのだから、日が昇れば側溝などではカラッカラに乾いてしまう。
しかし、凄い顔つき。大きくなればなるほど、扁平になって口が広がる。生きた化石って、動物の場合その形質状態プラス見た目が単純に化石っぽいのに多く適用されてる気がしなくも無い。本種場合は化石と言うより干物なので、差し詰め「這い回る干物」とも呼びたい。
こうした色合いをしてれば、まだフレッシュさはあるかな。まだ普通のイモリっぽい。
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2009/02/15(日) 06:19:39 |
イモリ Newts
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ヴァレンタインデーは全国軒並み小春日和だったようですね。ワタクシの住まう地沖縄は夏日でしたよ。んでもって、雨も降り降り。「こりゃ、いいんでないかい!?」と車を飛ばしヤンバルへ。
イシカワ祭りにイボイモリフェスタが開催されていたようで、それに便乗して何故かハナサキガエルもピヨピヨ言ってた。
んな場所にはヒメハブがわんさかおったのだけれど、この2匹の並びに撃沈。なにも同じポージングせんでも、笑。
イシカワがむこう向きゃ、ハナサキもそれに釣られて。
なんのこたぁない。向こうでハシリグモがモソモソやってた。僕の存在は殆んど無視みたい。
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2009/02/15(日) 05:42:28 |
カエル Frogs
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Achalinus werneri もうですね、最近アマミタカチホ運がはんぱない。出かけりゃ、まぁ会えます。去年あれだけ「いないよぅ」って探し回ってたのに、タカチホインフレ。時期が丁度良いんでしょうかね?
で、小さいサイズのこの蛇って、非常に撮りやすい。あんまり動かないし、つつくと丸まるし、動いたかと思うとあたりをうかがうようにこんな感じで頭をあげる。これがまた、かっこいい。良い蛇ですよ。
見た目がほんとサンカクヘビ
Mehelya.spp っぽくていい。学名つけるなら
Mehelya flavoventralis とか、笑。
でっかいのも出たんですが、こっちはチビと違って動いて動いて止まらない。写真撮れない。数枚撮って丸めてみても、思うようにいかない。挙句の果てに口をうにゃうにゃ動かして開けだす始末。以前スケイルで、「あくびをするアマミタカチホ」っていう写真があったんですが、たぶんあの写真もこうして何とか丸めようとした結果なんじゃないんでしょうかね。とにかくいじると口開ける。
おっきくなった方が頭に黄色みが滲み出るように入って綺麗なんですけどね。僕のカメラじゃあんま寄れないから、その美しさが表現できない。リンク先のてふてふ君がめっちゃ綺麗な顔の写真撮ってます。
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2009/02/14(土) 15:14:35 |
ナミヘビ(国産) Colubridae (Japan)
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ブラジル写真第4弾 フタユビナマケモノ
Choloepus didactylus ホテルの庭の木にくっついていた。
こんな汚れたモップみたいな感じで寝てた。爪が3本なのは後肢が映っているから。ナマケモノはフタユビもミユビも後肢は3本。
寝顔はまぁ可愛い方かも。
でも起きるとこんなんだった。目があっちこっちいって怖かった。そして1枚目の写真の結果になる。
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2009/02/14(土) 12:03:30 |
哺乳類 Mammals
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先日アルバーティスパイソンの資料をいくつか手に入れ、久々に記事でも書こうかなぁと思ってた矢先、奇しくもAll Aboutで星野さんが本種についての記事を書かれていましたね。でも、まぁよし。重複するところはあるかと思いますが、自分のお趣味のブログだもん。好き勝手書きます。そして、好きな蛇なので前回のコブラと打って変わってくだけて書きます。
アルバーティスパイソンはその外部形態、てか顔から英名でWhite-lipped Python、シロクチニシキヘビとも呼ばれています。こうした見た目の特徴から名付けしたほうがその生物の特徴をイメージしやすいのですが、何故かペットシーンでは多くの場合学名に由るアルバーティスパイソンという名称の方がメジャーな気がします。まぁ、名前を呼んだときこっちの方がかっこいいですからね。
アルバーティスという名は18世紀から19世紀にかけて活躍した某海賊王と同じくDの称号を持つイタリアのナチュラリスト・Luigi Maria D'Albertisに献名されたもので、この御仁はこれまで殆どヨーロッパ人が踏破し得なかったニューギニア島に渡り、動植物を採集しつつ、現地人にロケット花火ブチかましたり、番犬代わりにニシキヘビを飼っていたりするような中々ファンキーなおじさんだったようです。ちなみに、こちらの名前を使った英語表記は単にAlbertis PythonとするよりD'Albertis Pythonとする方がより一般的のようです。
名前なんてどうでもいいわい、という意見もあるでしょうが、生物の名称、特に学名などは間違って覚えていてもろくなことはありません。例えばその生物種について調べようと思ったとき、名称が適切でなかった場合引き出てくる情報には恐らく雲泥の差があります。まともな科学論文では何度も校閲があり、そうとうチェックされていますから、学名などが間違って表記されてあることは殆どありません。それゆえ検索をかけてもきちんと出てくる。
このスタートの時点でケッ躓いていたら、欲しかった情報なんて手に入らないわけで、そもそもそうした検索でひっかかる情報などクオリティの低いものである場合が殆んどです。これは飼育系にもかなり影響すると思われます。なので、生物の名称大事にしましょう。まぁ僕もたまに間違ったり、勘違いする事はあるので、その時はこそっとご指摘頂ければと。
で、話は戻りまして、こうしたおじさんの活躍でアルバーティスパイソンはヨーロッパに持ち込まれ記載されたわけですが、当初は
Liasis として記載されたようです。その後結構このパイソンの分類学的ポジションはあっちこっち行って、リングパイソン
Bothrochilus boa と同属の
Bothrochilus 属にされたり、時には
Morelia 属にも置かれたり、
Leiopython の名自体は本種記載年1878年の翌年からHubrecht(1879)によって提唱されているようですが(ただし、その際の種小名は
gracilis )、再びその名が冠され、落ち着くのはKluge(1993)によるもので、この論文では頭骨やその他の外部および内部の121の形態形質を用いて、ニシキヘビの系統関係を推定しています。その結果から、Klugeはアルバーティスパイソンは他のどのニシキヘビ系統とも異なるとして、114年前のシノニムとして抹消された属名を復活させております。
アルバーティスパイソンの属名はこうして
Leiopython としてその後暫く落ち着いてはいたのですが、90年代後半に分子生物学的手法で系統関係を推定する仕事が増えだしてから、再びこのニシキヘビのポジションは揺らぎだしているようです。
中でもLesleyら(2008)が発表した論文では、9属25種のニシキヘビについてミトコンドリアDNAの4領域を用いて、いくつかの系統樹を作成した結果アルバーティスパイソンはリングパイソンと姉妹群を作っていました。この結果から著者らはアルバーティスパイソンを独立の属にしておく必要は無いと考えているようで、
Leiopython の時より、より古く
albertisii の種小名が付けられていた
Bothrochilus 属に含めようと言う意見もあるようです。僕自身ナマでリングパイソンは見たこと無いんですが、雰囲気とか意外に似てるのかしら?
ただし、これにはまだ、議論の余地が残されているようなので、まだ確定してはいませんが将来的には
Leiopython の名が消える可能性も無きにしも非ずといったところでしょうか。千石先生なども単一属への細分化に疑問を持たれ、アクアライフ誌上などで度々コメントしているのを見かけます。
とまあ、この様に結構属間に関しても混乱が見られるニシキヘビですが、種内においてもさらに混乱が見られます。
アルバーティスパイソンは、日本へはペット用にある程度安定した数が入ってきているニシキヘビの一つですが、昔から2つのタイプがあると言われてきていました。
1つはニューギニア島北部から来るタイプで、黒色~深い藍色の頭部とそれとは対照的に黄色から赤黒いボディーを持つノーザンフォーム、もしくはゴールデンとかノーマルとか呼ばれているもの。上の写真2枚がそうですね。
もう一つは、島の南部から来る、全身ほぼ黒色で、頭部とボディーとで色彩の変化が無いサザンフォーム、通称キミカブラックと呼ばれるタイプでして、下の2枚がそうです。この2タイプは色彩以外にもサイズ・性格などにかなりの差があるとされていました。
あ、ちなみにAll Aboutでは「品種」という言葉でが使われていましたが、これらの色彩型は累代飼育の結果作出された遺伝様式が分っている改良品種ではないため、本記事ではとりあえず「タイプと称しています。英語でFormという表記があり、和訳は「品種」とする場合もあるのですが、上述した理由で混乱が生じるかと思い、「~型」とか和訳したほうが適切かと。
で、この2タイプですが、値段設定にもかなり開きがあって、数年前などキミカブラックは高嶺の花。ノーマルが2,3万で買える蛇だったのに対して、平気で10万を越していた記憶があります。最も最近はこのキミカも随分安くなり、馬鹿デカイサイズでなければ段々とノーマルと価格帯が変わらなくなってきてしまっています。値段が下がったのに加えて、このキミカブラックはノーマルに比べ性質的に穏やかなものが多く、でかくなる上にハンドリングも可能な場合が多いため、愛玩用蛇としても脚光を浴び、飼育層が以前に比べ格段に広がっている種類と言えるでしょう。
さて、こうしてペット的に見てもかなりの差があるこの2タイプ。見た目的にも地理的にも離れているようなので、亜種くらいには分かれるのかねぇと思っていましたが、かなり長いこと本種には亜種は存在せず、というかそこまで深く突っ込んだ研究がなされておらず、混沌としておりました。
しかし、2000年にオーストラリアのアマチュア研究者(と自分でも称しているようです)Raymond Hoserが自身のホームページHERP.NET(HPを開くといきなり大音量のクラシックが流れだすのでイラッときますが、笑)及びOphidia Reviewという良くわからん雑誌に一気に1種2亜種を新記載しています。カーペットパイソン界で悪名高き「学名乱発屋」のWells and Wellingtonと同様に悪名高いHoserの論文はタイプ標本に関する記述も少なく、元のアルバーティスパイソンのタイプ標本との比較も無かったり、亜種として記載した形態的特徴も、別に他集団内の変異の幅に収まっていたりと、検定もかけずにドンドコ新(亜)種として記載するため、多くの著名な研究者がこれを批判してきました。(例えば Wüster
et al (2001))
だって、コレって生物学的な意義も考えず、ただ自分で名前を付けたいがためにやってるとしか思いませんもの。権威ある学術誌に投稿せず、同人誌の様な雑誌になぁなぁで掲載するのもおそらくリジェクトを喰らうのが分りきっているためで、こうした確信犯的なアマチュアはかなり迷惑な存在であると言えるでしょう。
しかし、、命名規約上は最低限のルールは保守しているらしく、これを棄却する事は出来ずに学名としてはとりあえず、確定してしまっているようです。この後、多くの研究者はこれを支持せず、Mark O'sheaなんかも頑なに自分の本ではこの学名を使わなかったりしたんですが、2008年に再びアルバーティスパイソンの分類を扱った論文がJournal of Herpetology誌に掲載されました。
Schleip, W. D. 2008. Revision of the Genus Leiopython Hubrecht 1879 (Serpentes:Pythonidae) with the Redescription of Taxa Recently Described by Hoser (2000) and the Description of New Species. Journal of Herpetology 42(4): 645–667.
この論文の著者はWulf D.Schleip というドイツのプログラマーの方のようで、Hoserと同様のアマチュア研究者であるようですが、この場合アマチュアといっても研究機関に属していないだけで、Wulf氏の論文はHoserのものとは雲泥の差があります。てか、研究業に所属してないだけで、普通にプロの研究者っす。ちょっと面白いのがWolf氏に協力している研究者の多くが以前Hoserを批判した方々で、Wulf氏自身も自分のHP(http://leiopython.de/index.html)でかなり辛辣なHoser批判を展開しています。
おそらくこの方アルバーティスパイソンがめっちゃ好きなんでしょうねぇ。HP見ていてもその愛がひしひし伝わってきます。それゆえテキトウやらかしたHoserが許せなかったのでせう。
さて、この論文においてWulf氏は自身が記載した4種を加えて
Leiopython の6種についてまとめています。
Leiopython albertisii 最もポピュラーなアルバーティス。まあ大抵の場合コレがノーザンタイプとして日本に入ってきます。分布域はニューギニア島北西部。分布の東端はMadangと呼ばれるあたりみたいです。Google Erathなんかで検索すると出てきますので参考にするといいでしょう。この名前で分布を見てやるとオーストラリアにも
Leiopython albertisii の名で分布記録があるらしいのですが、その標本が無く、その後も発見されない事からどうもミズニシキヘビ
Liasis fuscus との誤認が原因だったのでは、と今では考えられています。
パプアニューギニア側のビスマルク諸島北端のMussau諸島、およびEmirau諸島にぽつんと分布する個体群も形態的な差異はないとして本種に含まれています。ちなみにMussau諸島の個体群はHoser(2000)によって
Leiopython albertisii barkeri として記載されてたものですが、Wulf氏は「ニューギニア島のものとちがわねーよ。DNA解析しただと?何処にもその結果記していないでほざいてんじゃねーよ」と論文とHPで吼えています。
他種との識別形質としては主に頭部の鱗の形態を指標にすると良いらしく、本種には2ペアの大きな頭頂板が存在し、後方の頭頂板が1枚もしくは2枚の細長かったり、小さかったりする頭頂間板によって遮られてるとされています。ただし、個体群によっては後方の頭頂板が分断されず、頭頂間板を取り囲むようにしてくっついているものもあるようで、そのバリエーションについてはHPでも図示されています。実際うちにいる2個体を見比べた場合も、この部分に差異が見られました。まぁそれでもおっきな頭頂板が2ペアあれば本種でいいんじゃない?という感じでしょうか。
L. hoserae を除いたその他の種と本種は、本種にバリエーションがあることから結構紛らわしい点もあるようですが、
L. biakensis 以外の3種はみなパプアニューギニア側に生息しており、かつ局所的な分布をしているため、おそらく日本で出回ることはなく、趣味的に見た場合あまり問題視する必要はないのかもしれません。
色彩としてみた場合、本種はかなり明確に頭部と胴体部の色彩が分かれるため、日本に同じよう入ってくる
L. hoserae と区別する事は容易かと思われます。幼蛇の頃はどちらも黒っぽい色彩をしているため、多少紛らわしい場合もありますが、本種の場合よーく見ればやはり体側面に若干の黄色味もしくは赤茶色が浮き出しているので、こうした色味の無い
L. hoserae とは見分けられるでしょう。また、
L. hoserae には目の後ろに白いラインが入らないので、その点でも見分ける事はできます。
しかし、本種を飼育しているとわかるのですが、この蛇色合いをコロコロ変えます。所謂「ゴールデン」と呼ばれるような胴体部がバナナ色した個体でも気分か温度か湿度かはまだちょっと分らないんですが、数十分の間に赤黒くその色彩を変化させたりします。上の1枚目の個体もあぁいう明るい色彩をしてはいますが、2枚目の個体の様な色彩をしている場合もままあります。パイソンでこうした色の変化をする種って結構珍しいんじゃないかと思うのです。
行動的には、本種の場合防御行動として "bolling" 所謂丸くなる防御体勢をとるらしいのですが、
L. hoserae はしないとのこと。マウスなんかの哺乳類を与えると、どちらも fur ball と呼ばれるケモケモを吐くのは共通した性質のようです。
L. hoserae ニューギニア島南東部に分布する巨大な種。他種が大体1,5m前後なのに対して、平気で2mを越える漆黒のニシキヘビです。これは成長するとかなり他種とは容貌、と言うか纏う雰囲気が違いますので、識別は簡単でしょう。
Leiopython albertisii とは亜種程度の差異かなぁと思っていたんですが、かなり形態的に差異があり、同時に遺伝的な情報もこれをサポートする形で結果が出ており、別種として記載する方が的確かと思われます。そもそもニューギニア島内が中央部の山脈によって南北に分断され、
Leiopython albertisii とはこうした地理的隔離が働き、それぞれ異なる進化史を歩んで種分化したんだなぁと島の地形を見ているとおぼろげながらイメージできます。
本種について詳しく調べだしたきっかけというのが「キミカ、キミカ言われるけど、それどこやねん」って思ったからで、最近はグリーンパイソンの産地インフォにも冠される様になった地名ですから有名どころなんだろな~って思ってました。で、いざ調べて見ると出てこない。「kimika」ってしても出てこない。何処だよ!?って思ってたら「timika」ってのが一般的な呼称のようですな。そのまま読みゃあ「ちみか」って。志村けんですよ。まあ最近はティミカって書かれることも多いようですが。
ニューギニアは元々文字の無い文化だったわけで、殆んどが口語での伝達だったり、現在の地名の多くもむりくり言語化しているので、表記や聞き取った言葉での感じ方には色々あるのでしょう。実際昔の地図を見て見ると「ミミカ」って書かれていたり、近くには「timuka」って地名もある。ワケワカメ。
でも、まぁこうしてキミカが「tikmika」という事がめでたく判り、早速グ-グルアースなんぞで検索をかけると、グリーンパイソンの産地インフォとおんなじで、ズバリ空港があるとこなんですね。しかも航空写真見て見るとかなり町じゃないですか。なんでも近くにドでかい金鉱と銅山を有しているとか。そりゃ発達するわ。地理的には内陸部で、グリーンパイソンの産地の一つとして有名なメラウケから南西に500kmくらい行ったところにあるようです。
本論文ではサンプルの多くがニューギニア側から得られたもので、キミカ(ってしときます。ティミカより語呂がいいんで)を含むインドネシア側のものはあまり多くを検証していないのですが、そう差は無いんじゃないかなぁと思われます。
現地では
L.albertisii 同様かなりの普通種らしく、テコテコ道を這ってるよう。マーク・オシーもアメジストとかカーペットとかよりもしょっちゅう良く見るてなことを書いてます。うらやますぃ。
L. bennettorum ニューギニア島東部の標高1050~1400mクラスのWauと呼ばれる一帯に分布しているニシキヘビです。こいつの場合インドネシア側には分布していないらしく、また生息地もスポット的なので、日本に入ってくることはまず無いかと思われます。Wauというのは高い標高もさることながら、ニューギニア島においてはかなり乾燥した場所らしく、昼下がりの午後の湿度は年間を通じて60%ほどらしいのです。ニューギニアの軽井沢といった感じでせうか?
本種の分化には、こうした地理的隔離もあるのでしょうが、生態面でひとつ面白い記述がありました。それは同地ではニューギニア島の他地域よりネズミ類の繁殖期が早く訪れるとのことです。ネズミ類は本種の様なニシキヘビには需要な餌資源で、その繁殖期と言うのは本種の繁殖期にも関係しており、この地域のネズミの繁殖期に合わせて他地域のアルバーティスの繁殖期とはズレていっている可能性があるとのことです。チビネズミが多く居る時期にハッチした方が良いですものね。
まぁ、これはまだ推測の域らしいので、今後の研究に期待されるとこですが、そうした要因でも分化が生じる可能性ということでしょうか。
で、そんなところに優雅に生息している本種の写真を見て見ると、パッと見まぁぁぁ普通のアルバーティスとかわんない。色もキミカとは違って黒くなく、アルバーティス色しております。ではどこで見分けるかと言うと頬板。これが本種では多いわけです。写真を見ると判りますが、蛇の顔を横から見た場合眼と鼻の穴の間にちっちゃい鱗が何枚か入ってて、他種ではすっきり。コレで見分けるのが一番容易なようです。また体中央部の体鱗列数の平均が最も多いというのも見分ける指標のようです。参考までに各種の体鱗列数を。括弧内は平均。
L.albertisii : 43-51(47.1)
L. hoserae : 45-52(48.1)
L. bennettorum : 49-54(51.6)L. fredparkeri : 47-51(49.1)
L. huonensis : 43-55(48.3)
L. biakensis : 45-47(46)
まぁ、わっかんないすね。というわけで本種だと同定するには顔の鱗を見てやればいいわけです。ちなみに眼の後ろの白いラインは無いらしく、その点で
L.albertisii とは見分けがつきそうです。ちなみにコイツはHoserのおっさんが
L.albertisii の亜種として先に記載していました。
L. fredparkeri さあ、ここらへんになってくるとちょっと頑張らないと見分けがつかないぞ。うへぇ
本種の分布は
L. bennettorum と同じく標高の高い1100~1500mのKirimui basinというあたりで、気温も最高25℃前後とかなり低い地域のようです。低地とはかなり隔絶されてた場所のようで、固有の鳥類なども見られるようです。
アルバーティスパイソンの繁殖記事をチラホラ見ていると、クーリングは「20℃前後まで冷やす」などとパイソン飼育をする上で怖ろしい事が書かれている場合もありますが、実はかなり耐寒性のあるグループなのかも。実際僕は神奈川にいた頃、うっかり飼育下のアルバーティスを20℃以下に晒した事がありましたが、当ヘビは風邪も引かず、現在もケロッと生きております。
L. bennettorum の生息域とは直線状で見ると400kmくらいしか離れておらず、かつ間の山は繋がっていそうなんですが、形態的に分かれるようで、ここでは別種とされています。色彩的には
L. bennettorum よりは、
L. hoserae と似たところはあるようです。
L. hoserae と本種は地理的に隔離されてるし、産卵数や頭胴長に差異が見られる点など別種に昇格することは受け入れやすいですが、本種と
L. bennettorum あたりになってくると分布の境界や遺伝子流動などをより詳細に調査する必要があるかもしれません。
L. huonensis そして、こいつになってくるともうどうでも良くなる感じ、笑。少なくとも日本には入ってこないでしょうし、入ったとしても趣味的にはどうでもいいかも。分布はニューギニア島北側で、所謂ノーザンフォーム。それも半島モノです。
ただし、見分けは頭頂板が大きな1枚のペアがあり、その他の鱗が非常に小さくなっているようなので、「あ、コレ違う」と判断するのは容易そうです。
本種の分布するHuon半島は、Ramu川という河川で沿岸部から山脈手前まで分断されており、それゆえ遺伝子流動が妨げられ本種と
L.albertisii は分化したと考えられています。まぁ形態的には分かれるわけですが、ここらへんの遺伝的解析は今後行なって、アルバーティスパイソンの分化と地史を絡めた研究は行なってみる価値があるかと思われます。
L. biakensis これまたグリーンパイソンで有名な産地ビアク島の島嶼個体群。ビアクのグリンパイって僕一番好きなんですよね。あの適当に黄色が残る感じがたまんない。顔つきもカッコイイし。ソリッドに緑っていうよりテキトウな模様の方が好きなんですよね。
と、脱線脱線。でも、ですね、コイツに関してはあんまり書くことがないんですよ。写真も無ければ、記載されている情報も少ない。調べられた個体が2個体ですしね。ただし、本論分のほかいくつかで本種を別格扱いにする向きもあるようです。が、ちょっと手が回らない。新種記載された中でたぶん一番手に入る可能性があるのが本種なんでしょうが、来た場合見分けつくかしら?
そもそも島嶼個体群なので、別種に昇格できるかは微妙な問題ですが、著者はForest and Hillis (1990) の「識別可能な異所的集団は亜種より種としてみなすべきである」という主張にしたがっているようです。まぁ、日本で言えば感覚的には各島のサキシママダラを別種にするか亜種かってなものに近い印象を受けますが、これも今後は遺伝的解析でサポートする問題なのかもしれません。
いや、勿論趣味的に見れば「なんか違う」ってのは大事ですが、同時に混乱の元にもなりますからねぇ。とりあえず鮮明な写真が出回ることを願います。もしくは「ビアク産です!」っていう産地インフォが確実な個体が僕の元に届く事を、笑。
とまあ、ざっとアルバーティスコンプレックスを書き連ねてみたのですが、判りにくいっすね!
しかし、趣味の世界で亜種やら種やら、はたまたロカリティーを議論する場合、実際そうしたやりとりで行なわれる議論では科学論文や信頼できるデータを下にしていない様な場合が多多あるように感じます。たとえばインボイスを鵜呑みだったり、自分の感覚と経験で分けたりと、それって根拠になってないなぁと思うようなことがしばしば。ある程度共通の認識で「この亜種はこうで、このロカリティではこう」という正確な形質的な情報が無いと、そもそも色彩などリベラルな情報では混乱が生じ、形質でもホントにしっかり見ていかないとハッキリした事は言えないんですよね。亜種のカテゴリーでは中間型なんてのもザラに出るわけですから。
今回のアルバーティス分類は多分今後も普及には一寸時間がかかるだろうし、日本にはせいぜい従来アルバーティスやキミカを含めて3種くらいの入荷しか望めないので、このコンプレックスについて現物を見ながらあーだこーだいう機会は無いとは思うんですが、もし全ての種が入ってくるような事があればこの論文の著者の様に、アマチュアでいながらも熱く情熱を傾けるやり取りをしてみたいっすね。
テーマ:爬虫類 - ジャンル:ペット
2009/02/13(金) 16:54:56 |
アルバーティスパイソン Leiopython
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というわけで、明日はヴァレンタインデーですってよ。チョコ貰おう。
そういえば昔AFのヤナガワブラザーズでエドが、チョコグラとチョコナンとチョコレートシクリッド貰ってたなぁ。熱帯魚でチョコって付くやつはどれも皆素敵じゃないか。そんなヴァレンタインもいい。勿論カリキンのチョコでもアメジストのチョコレートスクラブでも可。
テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真
2009/02/13(金) 09:50:20 |
鳥 Birds
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ヨナグニシュウダ
Elaphe carinata yonaguniensis 最早目付きが蛇のそれではない。数ある大型のナミヘビの中でも、ここまで確たる意志のある瞳を持つものも他に類を見ないのでは?
本家シュウダよりもその顔つきは凄まじい。
Special thanks N氏。
テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真
2009/02/12(木) 21:59:10 |
ナミヘビ(国産) Colubridae (Japan)
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ブラジル写真第3弾
プリカトカゲの1種
Plica umbra 南米にはアガマ科ではなく、イグアナ科が繁栄している。イグアナ科ではあるが、本種はグリーンイグアナではなく、ミドリプリカと呼ばれる。イグアナというのも
Iguana iguana という属名のまんまであるし、小笠原で猛威を振るっているグリーンアノールも属名の
Anolis からアノール。
現地では人との距離が近いトカゲで、ちょうどキノボリトカゲの様な感覚で容易に見つけることが出来る。雨に濡れると、キノボリトカゲと同じく非常に艶っぽい色合いになる。この鱗一枚一枚の発色を見て欲しい。
乾燥しているとこうくすんだ色合いになっているが、性差もあるのかもしれない。
ちらほらとガキンチョも見られるが、大人と違って灰色。こういう点でもキノボリトカゲに似ている。ある種の収斂現象と思われる。幼体は落ち葉の溜まった場所や木の下のほうに多かったので、そういう場所での隠蔽的効果があるのだろう。逆に成体は木の中くらいの場所によくいる。
テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真
2009/02/12(木) 13:56:57 |
トカゲ Lizards
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シマヘビ
Elaphe quadrivirgata だいぶ前のおさしん。僕が神奈川にいて、丹沢だのに行った時のものだからかれこれ4年前くらいか。わぉ、ティーンエイジャーを卒業したてじゃん。なんだか今撮ってる写真とは趣が違いますねぇ。まぁ、カメラも違うのだけれど。
久々に内地のヘビを撮りたいでありますよ。田んぼを走り回ったりしてさ。
テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真
2009/02/11(水) 23:16:22 |
ナミヘビ(国産) Colubridae (Japan)
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以前にニシアフリカトカゲモドキのところに書いた「巡り合わせ」とやらはどうも良くなかったようで、本来購入するはずだったものや狙っていた種は悉く私の下から去っていった。
そのかわり、というわけでもないが、今現在これがいる。
セラムニシキヘビ、またはモルカンパイソンという和名で呼ばれるScrub Python種群、所謂アメジストコンプレックスの1種で、 Harveyらによって2000年に記載されている。元著論文は46pに及ぶ大著で、爬虫両生類の分類体系を主に扱うHerpetological Monographs誌に掲載されている。日本語の文献としては2002年のクリーパー誌(No.11)に上の論文をもとに鳥羽氏がこのグループについて解説している。
最近ではほとんどないが、たまに本種とアメジストパイソン
Morelia amethistina を取り違えることもあるようで、片方が危険動物に指定されている以上こうした間違いは好ましくなく、きちんとした同定を行ってから販売だの購入だのはするべきであろう。もとよりこの趣味は自然科学を土台に置いてるので、そうした意味でも科学論文に触れ、それを楽しむといった風潮はもっとあってよいとは思う。
少なくとも、マニアと呼ばれる人間は己の経験と勘だけでなく、きちんと文献的なソースも持って語ってもらわないと発展的な話はあまり出来ない。何も金出して個体を買うだけがこの趣味の本質ではないと思う。もちろん紙面情報ばかりを話されても困るので、経験、センス、文献、技術といった要素をバランスよく持った人間が望ましいのだろう。そうすることで、ペット的な側面だけでのものの見方以外に、生物学的な視点でも個体を見られるし、保全的な視点にもつながるだろう。要は多角的な視点で生き物を楽しめる様になればいいのだ。
などと偉そうなことを言っているが、僕よりはるかに上を行ってる人なんてざらにいるし、まだまだペーペーなんです。すいません。
テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真
2009/02/11(水) 07:34:28 |
ボア・パイソン Boas and Pythons
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本ブログでは定期的にクロイワトカゲモドキが登場いたします。天然記念物ですが、それくらい身近な動物ではあるんですよ。天然記念物とか、現地では激減とか、ネガティブなイメージが多いヤモリですが、それ以上に単純に素敵ヤモリなんですよ。
自然保護の啓蒙っていうのはやっぱ第一にビジュアルだと思うわけで、百の言葉より説得力ある画が一枚あれば人は動いたりするわけです。ともすればそれは危険なプロパガンダになってしまう場合も多いですが、とりあえず僕は爬虫類というタクソンについては、素直に「綺麗な生き物だな」とか「かっこいいね」と思える写真を提供できたらなぁ、と思っています。もともと嫌われてることが多い動物ですからね。「気持ち悪い」以外の視点も持ってほしいな、と。
興味が持てないと保護もへったくれもないですからね。まずはその生き物について覚えてもらうことが大事ですね。
テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真
2009/02/10(火) 14:41:43 |
トカゲモドキ Eyelash Geckos
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ヒメアマガエル
Microhyla okinavensis 琉球列島の最北トカラから台湾を経て、中国、タイ、インドと大陸に広がる超広域種。ただし、最近の研究(といっても、もう4年前、Matsui
et. al (2005))で少なくともこいつには3種が含まれているのが分かり、インド・バングラディッシュといった南アジアの個体群にのみ元の
Microhyla ornata の名が冠され、中国・台湾+東南アジア個体群と琉球の個体群はそれぞれ独立の種として認識されつつある。結構まだ琉球のものにもオルナータという表記は見られるが、まぁ近いうちに変わるでしょう。さらに八重山ものもとその他地域も別種か亜種くらいには分かれそう。
なんか違いますものね、八重山と本島のヒメアマガエル。ちなみに写真はすべて沖縄島のもの。
将棋の駒みたいなちんまい格好がかわいらしい。単体で見た場合結構模様が派手だがこうして森床にいるとすぐわからなくなる。
模様もなんだか沖縄島のものは八重山に比べると、多様な感じがする。というか。八重山のものがわりとみな安定的に「ヒメアマだねえ」っていう模様してるのに対して、沖縄島のものは適当なものが多い。あと、ちっさいですね。
テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真
2009/02/10(火) 07:17:09 |
カエル Frogs
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ルディスカメレオン
Chamaeleo rudis ハペ関係の趣味書で未だにビジュアルNo.1と思っているのが「BIBLE OF REPTILES AND AMPHIBIANS Ⅱ」で、あれのTITO氏による写真は爬虫類の持つ美しさと雰囲気を見事に表現していると思う。
当時中学生だった僕への影響は計り知れなくて、カメレオンなんかはそういう風に撮ってしまう。自然っぽい背景より純粋に黒バックに映える生き物と思うんすよ。
テーマ:爬虫類 - ジャンル:ペット
2009/02/06(金) 00:44:27 |
トカゲ Lizards
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