
この強烈な色彩を放つ生物はヒャン
Sinomicrurus japonicus japonicus という奄美群島に固有のコブラである。前回奄美に訪れた時轢かれたばかりの轢死体を拾った事があったが、今回はめでたく生きた個体に出会うことが出来た。

道端に何気なく落ちていたのだが、その存在感は強烈で独りぼっちのフィールドワークなのに興奮して独り言なぞ発していた。いや、恥ずかしい。

こうしてみるとヒャンは、色彩的に中国のベニナメラ
Oreophis porphyraceus に似ているなぁと思う。特に
vaillanti 亜種。まぁ向こうは背中線が2本あるなどの細かな違いがあるが、やっぱ似てる。以前ハイ
S.j.boettgeri も載せたが、亜種間でもえらい違う感じなのに、より遠いベニナメラに似るとはどういうことか?
収斂?擬態?そもそも攻撃性の低いこのヘビの事、コレを恐れる捕食者なぞあまりいないと思うのだが、それなのにそんなに派手なのはどうしてなんだろう?警告色のようでいて、実は別の意味合いが強いのかもしれない。同じ事がベニナメラでも生じていたのかもしれない。
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- 2008/08/03(日) 17:36:18|
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八重山は台風なんで1日早く帰ってきました。明後日からは小宝島へ行ってきます。その間に撮った写真をちょこちょこアップ。
いやですね、なんかもう「である口調」も飽きてきましてね。やっぱ色々変化があったほうがいいじゃないですか。というわけで以前のブログの様に、色んな口調織り交ぜてカキカキします。多様性ですよ。
多様性といえば、八重山では結構いろんな種類のウミヘビが見られまして、写真のアオマダラウミヘビ
Laticauda colubrina なんかは北・中琉球では滅多に見られることなのないウミヘビですが、八重山ではそこそこの数が観察できます。

以前ヒロオウミヘビ
L.laticaudata の項でも書きましたが、エラブウミヘビ属のウミヘビって日本には3種いるんですが、一般には結構紛らわしいらしく、混同されている例がまま見受けられます。慣れれば泳いでるシルエットだけでも判別は付くんですが、まぁそれは馴れているからで、普通「どれも青斑だし、広尾だし」ってなりますよね。
そこで、簡単な判別点。アオマダラウミヘビは顔が黄色いっす。ひょうきんな顔してます。そして、あんまし青くありません。せいぜい青灰色。生まれたてはもちっと青いですが、ヒロオやエラブに比べればその差は歴然としています。エラブは色彩の幅がかなりあるので、ちょっと混乱するかもしれませんが、顔をみればまぁ見分けはつく。

ただ、ひとつ問題がありまして、アオマダラウミヘビはおっきくなったらこんなになっちゃうんですよね。もう顔黄色くねぇし。色彩から見れば「クロマダラウミヘビ」って名付けたくなります。
こうした大型の個体は大抵の場合メスで、今の時期は産卵のため陸上に上陸している姿が観察できます。といってもこのウミヘビは普段からかなり陸生傾向の強い種でして、岩の上とかキの上なんかにも平気で登っちゃいます。他の2種が割と隠遁性が強いのに対し、本種はオープンな場所で休んでいる姿や昼間に浅海域を悠々と泳いでいる姿などが見られます。

このように脱皮前の個体なんかは流石に岩場の穴の奥のほうでじっと身を潜めていますが、まぁ僕に見つかれば引きずり出されるわけです。あ、アオマダラウミヘビを含めエラブウミヘビ属の蛇はみなコブラ科で猛毒を持っているので、素手で触らないほうが賢明です。僕も調査の際コイツラを捕獲する場合厚手のダイビング生地の手袋を嵌めて扱っています。
また、アオマダラウミヘビは滅多に咬んでくるものはいませんが、ヒロオやエラブは掴むとガブガブ咬んできますので「ウミヘビはおとなしいよ〜」というテキトウな情報に惑わされぬよう。
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- 2008/07/26(土) 23:16:21|
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ヒロオウミヘビ
Laticuda laticaudata ヒロオウミヘビはエラブウミヘビ属の中でも最も青が鮮やかな種類。しかし、今回の調査で見つけたこいつはやたらと黒い。所謂メラニスティックという変異であろうが、見た感じがクロッケリーウミヘビ
L. crockeri のようになっている。

顔つきはさらに陰険に、笑。ヒロオウミヘビはエラブウミヘビ属の中で最も凶暴な種に思う。別に海中などで襲ってくるような事はないが、掴めばかなりの確率で口を開け咬み付こうとする。コブラ科で毒性も強いので、もし咬まれればかなり危険な状態になるだろう。
また、たまにウミヘビの毒牙に関して「毒牙は口の後方に位置するので、深く咬まれなければ大丈夫」といったような後牙類を表すような記述が見られるが、ウミヘビはコブラ科で、前牙類に属する。それ故毒牙は口内の前方に位置し、少しでも咬まれれば毒牙に触れてしまう。口が小さい、といった記述もあったりするが、少なくとも口の開き方は僕が見た印象ではそれほど普通のヘビと変わらない様に思う。

ちなみに、本来の色彩はこちら。ヒロオウミヘビは和名学名共に「広尾」と付いているが、おそらく最も尾が広いのはエラブウミヘビ
L.semifasciata で、また、同属のアオマダラウミヘビ
L.colubrina は一番青色が薄く、最も「青斑」なのは本種であろう。

エラブウミヘビ属はそれぞれが混同されやすいが、その要因の一つにアオマダラやヒロオといった複数に当てはまる特徴を用いた和名が付けられているのがあるかもしれない。
- 2008/07/03(木) 14:17:45|
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